ある日、会社の中で「派閥」とかかわることになったらどうするか。考えたことはありますか? もしかして、絶対に入ってはいけない「悪の組織」と誤解していませんか? その思い込みを解いて、派閥についてかかわり方を考えてみましょう。
なぜ自民党の派閥は消えないのか?
派閥とは、組織内において利害や意見などで結び付いた人々によって形成する集団。その派閥の長を「領袖」といいます。領袖の「領(りょう)」は、衣の「襟(えり)」。「袖(しゅう)」は「袖(そで)」を意味する漢語です。
中国晋代の歴史を記した『魏舒伝』が出典で、衣服の襟と袖は特に目立つ部分であることから、集団を率いる重要なポストにいる人に対して使うようになりました。
さて、この派閥という言葉が頻繁に登場するのが政治の世界。さらに言えば、自民党の歴史とも言えます。総理大臣を誰にするか、政策を実現するためなど、同志の数が多い派閥が力を握ります。この数集めのために党内で激しい争いが繰り広げられてきました。ところが派閥争に辟易した国民にレッドカードを突きつけられて下野、野党に。
「もう、派閥争いに奔走しません」
と反省を示したことも、昨年、政権に返り咲いたひとつの要因かもしれません。
そんな自民党政権も約9カ月が経過。すると、派閥による駆け引きが再開したようです。この夏には、各派が避暑地などで泊まりがけの研修会を開き、ゴルフや懇親会で結束を固めた様子。さらに幹事長の石破茂氏が主宰する派閥横断の勉強会では
「人間が集まれば派閥ができる。派閥禁止令を出しても、なくならない。無理して抑えても仕方がない」
と派閥を容認する発言をしています。
こうして派閥ができること、活性化することに関して、世間はネガティブにとらえがち。やはり、過去の激しい権力闘争の温床になってきたトラウマがあるからでしょう。ただ、あれだけ大所帯の自民党で派閥がない組織運営など、できるのでしょうか?
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