冒頭で書いたように派閥=悪とは限りません。派閥に属するメリットもあります。たとえば、同じ派閥の同士は仲間意識が高く、お互いで助け合う意識が高いもの。社内で困ったときに頼れる存在を、派閥の領袖だけでなく、数多く得る機会になります。
ここで気になるのは、派閥の仲間同士の絆の強さ。
・「結束の強力な」集団
・「結束が緩やかな」集団
いろいろあります。注意すべきは結束が強力な集団で、派閥以外の同僚との間に溝ができかねません。すべてを派閥単位で行動するのではなく、目的に合わせて結束するくらいの関係が安全かもしれません。
ここで重要なのは、「●●部長を社長するため」などと、自己犠牲の精神で派閥に入ってはいけないということです。あくまで、自分のキャリアや学べる機会であるかどうかを鑑みて判断しましょう。派閥は領袖のためだけでなく、参加する全員にとって有意義な集団でなければなりません。Gさんも、自分にとって有意か否かを見極めて判断してほしいものです。
派閥がないせいで、職場がドンヨリ……
ちなみに派閥のない職場には、デメリットがあることを覚えておいてください。たとえば、「ワンマン経営者」がいる会社。創業オーナーが絶対的な権力を握っており、社員はオーナーの顔色をうかがいながら、粛々と仕事をするだけ。派閥争いなどしていたらパージ(一掃)されてしまう恐怖の世界。こうなると、社員同士のかかわりは希薄になり
《ベタベタした人間関係がない風土》
が形成される可能性があります。一見、気楽で快適な環境にも見えます。ただし、社内で出世したいという活力を持ち、その目的のために
・周囲の同僚を束ねて
・チームワークを重視
・人材育成も積極的
に行う意欲を持つ社員が、“劇的に”減ります。取材した「派閥がない」ワンマン社長の会社に勤務している若手社員が、同僚と意見調整が難しく、助け合う雰囲気がない、おまけに自立心が低い……と実態を語ってくれました。最後には、
「派閥争いに勝ってトップに立つぞ……と野心のある人の下で働きたいです」
と一言。
職場に閉塞感があるようです。やっぱり、派閥がないことはいいことだけとは限りません。
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