「若手は出世願望がない?」の謎を解く

いよいよやってくる「出世」解禁

参考になるデータを紹介しましょう。大卒で社会に出たとして、定年までは約40年。仮に同じ会社に勤務したとして、どこまで出世できると思うか? 若手社員たちにマイナビがアンケート調査を行ったところ。

1位 一般社員クラス 43.4%

2位 係長クラス   12.0%

3位 主任クラス   11.8%

とかなりあきらめムードの回答が目立っています。その弱気の背景として「肩書が管理職」の社員で、職場があふれかえっていることを挙げる人が多数。取材した不動産会社に勤務しているFさん(28歳)は

・毎年新卒採用は50人

・管理職になれるのは4割

・部長になれるのは1割

・役員になれる確率はゼロ(すべて親会社からの出向者)

と冷静に現状分析をした結果、「無理」と判断し、出世に関心を持てないようです。

詳しく聞くと、入社当時は出世に関して夢と希望があり、できれば役員になりたいと将来のキャリアを描いていました。確かに現在でも、入社早々の若手は出世をあきらめていない様子。同じくマイナビが調べた2013年新入社員意識調査によると、新入社員のうち「出世したい」(49.7%)、「どちらかといえば出世したい」(38.7%)、合わせて88.4%という結果が出ています。

若手が出世し始めた職場も出現

現実を突きつけられて、出世への興味が薄れてしまった……これが実情かもしれません。ただ、ここでお伝えしたいことは

《出世をあきらめないで、仕事に取り組む起爆剤にしてほしい》

ということです。これから団塊の世代が定年を迎えます。まさに日本でいちばん人口が多い層です。団塊の世代は1940年代後半に生まれた戦後のベビーブーム世代で、その数約800万人。60歳時点でも約680万人が就業しており、この世代がすべて65歳に達する2014年以降の労働力不足が課題になるのは明らかです。

2007年に同様の問題が話題になりましたが、団塊の世代の大半はいまだ現役で働いています。機会を見て書かせていただく予定ですが、団塊の世代は年功序列、終身雇用が一般的だった時代を過ごし、上下関係や組織への忠誠心が高く、会社人間と言われてきました。

ただし、出世コースから外れ、窓際族同然の立場でありながら、高収入を過剰に保護された希有な立場との批判が根強いのが実情。定年まで居座る団塊の世代のおかげで、若手社員の給料が上がらない、さらに出世もままならない…閉塞感の元凶が団塊の世代…と訴える若手社員は少なくありません。こうした状況が若手社員に出世をあきらめさせているのではないでしょうか。

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