知的障害としてボーダーライン、精神障害で手帳取得
今まで取材してきた当事者には知的に問題はない人が多かった。なかには高学歴な方もおり、だからこそなぜ、自分はほかの人ができることができないのか悩むケースが見受けられたが、今回お話をうかがった小林さんには軽度の知的障害があるという、今までの取材のなかでは初めてのケースだ。
小林さんは25歳の頃、発達障害ではないかと医師に疑われた際の知能検査で発覚した。小学5年生の頃の知能検査では健常者と知的障害者のボーダーラインだったため、当時の担任が保護者会で親に伝えるか悩んだ末、伝えなかったことがのちに判明したという。
「障害者雇用で就職をしようと、知的障害の手帳を取ろうとしたところ、当時の主治医には『君はボーダーラインだから、知的障害で手帳は取れないよ』と言われました。でも、保健師さんが熱心で、より手厚い制度を受けられる知的障害の手帳を取ろうと、母親の証言を求めてきました。しかし、母は証人になれないと言ってきました。そこで保健師さんは、私が子どもの頃のIQや成績を調べるために、当時の小学校の担任の先生を探してきてくれたんです。でもやっぱり、審査に通らなかったので、二次障害として併発していた精神障害のほうで手帳を取りました」(小林さん)
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