27歳「発達障害」の彼女が水商売に懸ける理由 毒親から逃げるように、ネグレクトの過去も

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彼女は「親にも発達障害らしき特性があった」と話す(筆者撮影)
独自のルールを持っていたりコミュニケーションに問題があったりするASD(自閉スペクトラム症/旧・アスペルガー症候群)、落ち着きがなかったり不注意の多いADHD(注意欠如・多動性障害)、知的な遅れがないのに読み書きや計算が困難なLD(学習障害)、これらを発達障害と呼ぶ。
今までは単なる「ちょっと変わった人」と思われてきた発達障害だが、生まれつきの脳の特性であることが少しずつ認知され始めた。子どもの頃に親が気づいて病院を受診させるケースもあるが、最近では大人になって発達障害であることに気づく人も多い。
発達障害について10年程前に知り、自身も長い間生きづらさに苦しめられていたため、もしかすると自分も発達障害なのではないかと考える筆者が、そんな発達障害当事者を追うルポ連載。発達障害当事者とそうではない定型発達(健常者)の人、両方の生きづらさの緩和を探る。
第19回目はASDとADHDを併発している大塚直美さん(27歳・仮名)。出身は関東の某県で今は都内在住だ。現在、うつ病により医師の勧めで生活保護を受給中。自身はバイセクシュアル。現在は男性パートナーと、同じく発達障害持ちでレズビアンの友人の3人で、自助グループのような感じで共同生活を送っている。発達障害に生活保護、LGBT、共同生活。いろいろと込み入ったワケがありそうだ。話を聞いてきた。

初回の診察ですぐに発達障害と診断

大塚さんに発達障害の診断が下ったのはつい昨年のこと。ずっと自分は発達障害なのではないかと思っていたが、余裕がなくて病院に行けなかったという。余裕がなかったとはどういうことなのだろうか。

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「それまで、うつ病で精神科を受診していたのですが、その病院が発達障害は専門ではなかったんです。また、生活が落ち着いたから発達障害を診ている病院を受診できたというのも大きいです。今の男性パートナーは昨年の3月から付き合っているのですが、それまでは女性のパートナーでした。でも、その元パートナーのDVが大変で共依存状態になってしまい、別れるのにとても苦労してしまって……。

マルチタスクも苦手なので、生活保護の手続きなども一昨年から昨年にかけてようやく終わりました。そして、昨年から今年にかけて自分の周りの人間関係を整えていって、やっと環境が落ち着いたので、ようやく受診できるところまできました」(大塚さん)

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