過去の株価を調べてみると、ブラックマンデーの前日にも日本株は大きく下げていて、日経平均は2万6000円を割り込む前日比620円安の2万5747円だった。それでは、その後、日経平均が2万6000円を回復したのはいつかというと、場中の瞬間最高値では翌1988年の3月18日だが(2万6013円)、終値ベースでは、同年3月30日(2万6320円)を待たねばならない。つまり、ブラックマンデーから5カ月と10日が過ぎている。
筆者は、チャートを見ながら「お日柄」を数えて「変化日」を予言するような種類の占いに帰依しているわけではない。しかし、デフレ脱却を掲げた安倍政権が見えてきた昨年11月から5月23日までを金融緩和相場の第一段階と見ると、そろそろ調整をこなして第二段階に入る可能性の大きな「頃合い」ではないかとの仮説は考えていいだろう。
経済の現状は、大規模な金融緩和政策下の推移としておおむね順調だ。景気は拡大しており、日銀短観(大企業・製造業、9月調査)はプラス12まで改善した。雇用は、継続的な賃金上昇に至るまでの水準(失業率で3%台前半?)まではまだ距離があるものの、8月は失業率で4.1%、有効求人倍率で0.95倍と共に回復基調にある。
2020年の東京五輪開催が決まり、FRB議長の後任が、ハト派でQE3の出口を急がないであろうイエレン氏に決まったことも好材料だ。「初老」の日本経済、そして、株式市場も、そろそろ再び張り切り出す環境が整いつつある。
経済政策面では、当面は、現状を維持しながら、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の具合を見ることになるだろう。
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