アベノミクス相場の後半には、何があるのか 山崎 元が読む、ちょっと先のマーケット

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不測の円高など、不都合な状況になれば、いつでも追加緩和する余地はあるし、「2020年の東京五輪」は、今後数年にわたって財政支出(官僚も政治家も大好きだ)を行う言い訳を提供してくれる。

さらに付け加えると、来年度の消費税率引き上げは、それだけを見ると約8兆円もの増税であり、景気を冷やし、アベノミクスを頓挫させかねないリスクをはらんでいるが、現在の実質的最高権力者たる財務省は、再来年度に消費税を10%まで引き上げられる環境を必要としている。来年、景気が頓挫しそうになった場合、日銀に金融緩和の追加措置を実行させるだろうし、財政政策面でもなりふり構わず追加の弾を撃つだろう。

政策をあてにして相場を張るのは好きではないが、政策に逆らって相場を張るのは苦しい。当面、大きな流れは、相場格言にいう「政策に売りなし」となるのではないだろうか。

なお、まだ時期が早いが、本連載に筆者が登場するのは原則6週に一度のローテーションなので、書いておく。来年になると株式の譲渡益に対する課税が、現在の優遇税率10%から本則の20%に戻る。このため、年末にかけて、銘柄によっては、かなりの売りを浴びるものがあってもおかしくない。「年内益出し」の売りの、時期・規模・影響は不明だが、こうした売りは、企業の業績見通しの変更など「投資判断」によって生じるものではない。従って、この種の売りで一時的に株価が下げすぎた銘柄が、その後短期間でリバウンドするという、「今年限りの年末セール」がワンチャンス訪れる可能性がある。

理屈を考えると、近年株価上昇率の大きな銘柄が狙い目となる。個別株への投資にご興味のある向きは、注目してみて欲しい。

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