20代女は「自分」、40代男は「会社」が中心だ 「クチコミ・ビッグデータ」で見る、社員の心理

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40代男性は、20代と比べても、さらに「会社」に関するウエートが大きくなっている。同時に「企業」という言葉が目立つようになっており、組織全体のことを見る視点が強まっているようだ。もう1つ特徴的なのは、「環境」という言葉が入っている点。オフィス環境や働きやすい環境など「環境」にもいろいろあるが、「働く場」がどうなのか、ということを重視している表れかもしれない。

職種については、いくつかある職種のうち、WEB制作者やデザイナーといった「クリエイティブ系」「運輸・物流・設備系」「営業系」の3つについて、傾向を見た。クリエイティブ系は「会社」と「自分」の両方の言葉が際立つ一方、運輸・物流・設備系は「会社」が大きな存在で「社員」という言葉も目立つ。営業系は、「会社」ではなく「自分」が中心に据えられており、「ノルマ」や「商品」「休み」という言葉が出てくるのが特徴だ。

会社ごとに可視化し、仕事の改善に役立てる

「クリエイティブ系は『会社のなかで自分がクリエイティブな貢献ができるか』が仕事価値観としてあり、運輸・物流・設備系は『会社』が中心的な存在で、その中で『社員』の自分が役割を担う、という仕事観を持っていると思われる。そして営業系は会社よりも自分が行動することで商品を届けられるやりがいがある一方、『ノルマ』のプレッシャーや『休み』を取ることの難しさが出ているのかもしれない」(伊藤社長)

今回は属性や職種という大きなくくりで、クチコミサイトに書き込んだ社員の考え方の傾向を読み取ったが、当然、会社ごとの分析も可能だ。

「求職者向けには、各人が持つ『仕事価値観』にフィットする企業をクチコミのビッグデータに基づいて提案し、企業に対しては、働く人が考えていることを正直に伝え、改善や対話を促して働きがいのある職場づくりを支援していきたい」と伊藤社長。

クチコミも大量に集まればビッグデータになる。これまではランキングや指標といった定量データで可視化することが多かったが、書き込みなどの定性データを基にした可視化の取り組みが進めば、企業の本当の姿が見えるようになるだろう。

宇都宮 徹 東洋経済 記者

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うつのみや とおる / Toru Utsunomiya

週刊東洋経済編集長補佐。1974年生まれ。1996年専修大学経済学部卒業。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信の担当を経て『週刊東洋経済』編集部に。連載の編集担当から大学、マクロ経済、年末年始合併号(大予測号)などの特集を担当。記者としても農薬・肥料、鉄道、工作機械、人材業界などを担当する。会社四季報プロ500副編集長、就職四季報プラスワン編集長、週刊東洋経済副編集長などを経て、2023年4月から現職。

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