20代女は「自分」、40代男は「会社」が中心だ

「クチコミ・ビッグデータ」で見る、社員の心理

そうしたノウハウをクチコミの分析にも生かそうと、さまざまな取り組みを行っている。「口コミを可視化することで『本当のところはどうなのか』といった働く人の本音を理解できる意義が大きい。最新の自然言語解析技術を活用することでこれが可能となった」と語るのは、Insight Techの伊藤友博社長だ。

選択式のアンケート調査では、問いかけ方や回答欄の文言によって、バイアス(偏り)が発生し、なかなか本音が見えにくい部分もある。だからこそクチコミから本音を分析する価値は高い。

潜在的に使っているキーワードかもしれないが、そうした情報を集めて分析すれば何か見えるものがある。言ってみれば、数値化できない定性的な情報を可視化し、可能な限り定量データに近づけて分析する取り組み、といってよいだろう。

今回は、「ワードクラウド」という手法を使い、年代別や男女別、職種別に傾向を見ている。ワードクラウドとは、文中のワードの出現数に応じて、そのワードの大小で示す手法だ。多用している単語であれば、大きく表示され、あまり使われない言葉であれば、小さく表示される。

20代男性は会社で通じる知識やスキルを求める

その結果を見ていこう。20代男性では、クラウドワードで最も大きく表示された単語は、「会社」だ。さらに、ほかの年代や性別にはあまり出てこないワードとして、「スキル」や「知識」というものが浮かび上がった。

「20代男性は『会社』のために仕事をし、その中で知識やスキルを習得していきたい、と思っていると考えられる」と伊藤社長は見ている。

一方、20代女性が使う頻出キーワードは、「自分」だ。「20代の女性は自分を主役として捉え、『良い』『好き』といった感性を大切にする価値観が強い」(伊藤社長)と分析する。

つまり、自分に合っているか、好きかどうかというところに主軸が置かれ、その視点から、会社や自分が手がけている仕事を評価していると思われる。また、「スタッフ」という言葉があるのは、職場の中では、派遣やアルバイトといった外部スタッフが多くいて、当然年上の人も多い。そうした人とのつきあい方や人間関係について考えることが多いものと思われる。

40代女性も「自分」という言葉が大きく表示されているが、20代女子と比べると一回り小さくなっている。その分、自分よりも、会社の存在が大きくなっていることがわかる。

さらに「好き」という言葉が減っている。その分、「雰囲気」や「責任」という言葉が出てきており、なお自分を中心に据えているものの、ある程度会社の中の一員として、気にするようになっているのかもしれない。

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