インド・ヨーロッパ語族は、どう拡散したのか

ステップを駆けたライダーたち

人類の文明化、文明の拡大をもたらした真の要因とは何か?(写真:mds0/iStock)

複数の角度から証拠となるものを収集し、それらを慎重かつ巧妙に組み合わせながら、歴史の大きなうねりを炙り出していく。研究の醍醐味、そして読書の醍醐味をこれほど堪能させてくれる本はそうないだろう。

上の画像をクリックするとHONZのサイトへジャンプします

本書『馬・車輪・言語』の主題は、インド・ヨーロッパ語族の拡散だ。英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語。そして北欧や東欧の諸言語に、ウクライナ語、ロシア語、ギリシャ語。さらにはペルシャ語や、ウルドゥー語、ヒンディー語など。それらはいずれも共通の起源を持ち、それゆえに「インド・ヨーロッパ語族」と総称される(図1参照)。その語族の言語は世界に広く分布していて、現在、それらを話す人たちはなんと30億人に達する。

なぜ、それほど広い地域に拡散したのか

周知のように、インド・ヨーロッパ語族の拡散は大航海時代以降に加速している。だがじつは、すでに紀元前400年の時点でも、その語族はアジアやヨーロッパの広い地域に分布していた(図2参照)。ならば、インド・ヨーロッパ語族はどうしてそれほど広い地域にいち早く拡散したのだろうか。本書はその大きな謎に、おもに考古学と言語学を武器として挑んでいく。

図1 インド・ヨーロッパ語族の言語(図版提供:筑摩書房)
次ページ問題を大きくふたつに分解
関連記事
トピックボードAD
  • インフレが日本を救う
  • 最新の週刊東洋経済
  • iPhoneの裏技
  • グローバルアイ
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「脱ファッション」が進む<br>渋谷の街の最前線

渋カジ、コギャルなど若者ファッションの聖地だった渋谷。ここが100年に1度の大規模再開発で、オフィスや飲食店が増えアパレル店舗が減少しているのだ。来年エンタメビルとして生まれ変わるSHIBUYA109など、変わりゆく街の今を追う。