優秀な学生がパッとしない社会人になる理由 大人になってからも学び続けることが必要だ

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学業で好成績を収めても社会で通用するワケではありません(写真:franckreporter/iStock)

『一流の学び方』(清水久三子著、東洋経済新報社)が刊行されたのは2017年7月のことだが、実はそのバックグラウンドには10年の歳月が積み重ねられている。というのも、清水氏が2007年に著した『プロの学び力』がその原点なのだ。

それは、学生の勉強法ではなく、ビジネスパーソンの学び方をまとめたものだった。すなわち点数を取るための勉強法ではなく、仕事やキャリア、稼ぎにつながる学び方のノウハウが明かされていた。つまり、そこに加筆修正したものが本書なのである。

学び方でキャリアや人生が変わる理由

この10年に社会は著しく変化しただけに、これは妥当な手段だと思える。が、それどころか清水氏は、10年前よりも現在のほうが、ビジネスパーソンにとっての「学ぶこと」の重要性は高まっていると主張している。

21世紀は、学び方や学ぶ姿勢によって、ビジネスパーソンのキャリア、そして人生が決まるといっても過言ではないというのだ。その理由は2つ。

まずは、人生100年時代が到来しているという事実。2016年にベストセラーとなった『ライフシフト 100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著、東洋経済新報社)が指摘しているように、今後は長寿化に伴って「60歳で定年を迎えてリタイア」という人生プランが通用しなくなる。だからこそ、生涯にわたって学び続けることの重要性が高まっていくわけである。

また、ビジネスパーソンの「働く期間」が長期化する一方、「働く」環境の変化はより早くなってきている。かつては新卒で入社した企業で定年までの約40年を勤め上げるという働き方が一般的だったが、いまや40年後に必ず残っていると断言できる企業などないに等しい。

もし残っていたとしても、デジタル技術やAI(人工知能)の進歩に伴って、いま人間が行っている仕事のあり方は大きく変わるだろう。よく言われることだが、AIに仕事を奪われることも十分に考えられる。

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