「国民の皆様にお願いしたいが、学生諸君に対する非難などが学校の雰囲気の妨げにならないようご協力をいただきたい」などと言ってのけたが、この会見を聞いていた無数の人から漏れたのは「学校の雰囲気の妨げになっているのはあなた方経営陣だろう」と言う叫びだったはずだ。
「真摯に受け止めブランドが落ちないように努力をする」という発言にも、「もう地に堕ちて、これ以上落ちるものはないということがわかっていないのか」とあきれ果てた人が多かっただろう。
もはや完全な思考停止
「運動部のレベルの話で大学は関係ないと思っていた」といった当事者意識のまったくないコメントもあった。徹頭徹尾、「何一つ事の重大さがわかっていない」ことを露呈する発言の数々。日大にかかわる多くの心ある人が、髪の毛をむしるほどの絶望感に囚われたことだろう。
何の準備も深慮もなく、メディアの前に姿を現し、自分の言いたいことだけを言い散らかす「謝罪会見」など開く意味はないどころか、ひんしゅくと反感しか買わないことが、なぜわからないのか。「言葉を発すれば、伝わって理解されるだろう」という幻想を抱く幹部たちの暴走を誰も諫めず、止められないのはなぜだろうか。
この状態をみる限り、学生や被害者、OB、多くの人の怒りと悲しみに何の同情も共感もしない鉄のメンタルが作り上げた「強権体制」の下で、日大は組織として、もはや完全に思考停止をしているとしか思えない。
ここまで燃え盛った史上最低の不祥事の炎はそう簡単に鎮まるものではない。相当の覚悟と人心を一新する決断が必要である。
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