世界的な航空関連コンサルティング会社である「CAPA」は、日本を含む北東アジアのLCCマーケットについて、ユニークな分析を行っている。それを参考に、JAL系中長距離LCCはどのように路線展開を進めるか考えてみることにした。
CAPAの分析によると、東京や大阪、ソウルは、世界の主な長距離LCCがあるハブ空港を持つ都市と比べ、圧倒的に人口規模が大きいことから、「日本と韓国は中長距離LCC会社の拠点として適切な場所となりうる」のだという。しかし、目下のところ、日本と韓国のどちらかを拠点とする中長距離LCCは大韓航空傘下のジンエアーしかない。
なぜ日韓では中長距離LCC会社が育たなかったのか
では、なぜ日韓2カ国をベースとする中長距離LCC会社が育たなかったのだろうか。
CAPAは「中長距離LCC便を飛ばす会社は、自社で短距離LCCを保有、もしくは他の短距離LCCと提携して、周辺の中小都市から飛んで来る顧客を中長距離LCC便に取り込むことで収益を高めようとしている」という前提条件を指摘。そのため、日本と韓国については「国土がいずれも比較的狭い。高速鉄道が発達しているうえ、中長距離便が発着する空港に行くのに航空機以外に便利な交通機関があるといった背景により、乗り継ぎの足としての短距離LCCの必要性が低くなってしまっている」と分析している。
ちなみに、現在営業中の主な中長距離LCC便運航会社は以下のとおり。
JALはジェットスタージャパンに出資、同社は短距離国際線の運航も行っている。新会社が立ち上がった後は、近隣諸国から成田経由で中長距離LCC便に乗り継ぐ需要も期待できそうだ。
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