バルセロナはすでにIAG傘下の短距離LCC会社・ブエリングがハブ空港として使っている。もしもIAGが近い将来、ノルウェージャンの発着枠や既存便をIAGが手中に収めるとなると、バルセロナに欧州でも1、2を争う規模のLCCハブが生まれる。ここへ仮にJAL系新会社のLCC便が入ってきたら、欧州各国からの集客も一気に期待できる――というのが筆者の見立てだ。
さらなる価格破壊が起こる可能性
JALはすでに欧州線で、IAG傘下のBAとイベリア航空、さらにフィンランド航空を加えた3社と共同事業を実施し、相互に座席を販売しながらチケットの売り上げは関係各社で分割するという極めて緊密な提携を結んでいる。これにより利用客は、前述4社が運航する日本発着便や乗り継ぎ便をあたかも「同じ航空会社の便」のように自由に選択できるようになっている。
フルサービスのフライトで提携関係にあるIAGとJALが、LCCでも欧州―日本線でタッグを組むのは、積極的な集客を考えるうえで非常に有益なオプションとなりうることは間違いない。
中長距離LCCをめぐっては、これまで数々の会社が市場参入を狙ったものの、「就航しては倒産」という状況を繰り返してきた。マーケティングが悪いのか、運航経費が想定以上に高かったのか、それとも取るべき運賃が安すぎたのか、さまざまな複合的な要因があるのだろう。
目下、欧州―米国間を結ぶLCC路線では、近距離しか飛べないはずのナローボディ(単通路)機に工夫を凝らし、中長距離区間への就航を可能にした新たな機体が飛び始めようとしており、低コストを軸にさらなる価格破壊が起こるのかもしれない。
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