JALは5月14日、中長距離路線を飛ぶ格安航空会社(LCC)の設立を決めたと発表した。2020年夏をメドに就航、拠点は成田国際空港とするという計画が明らかとなった。リーズナブルな価格でより遠くへ飛べることは消費者にとってうれしいことだ。
しかし中長距離のLCCはこれまで苦戦を強いられている。はたしてJAL主導の新たなLCCはどんな形となるだろうか。他国競合の例を見ながら、大胆に予想してみたい。
飛ぶ機体はとりあえず2機
JALの会見によると、LCC新会社は当面、米ボーイング社製「787-8」2機を使って営業を行うという。
JALは目下、787を国内線のほか、欧米線を含めた国際線とさまざまなルートで飛ばしており、機体の導入自体に不安はない。しかし「当面2機でスタート」となると、片道10時間を超えるような長距離便を飛ばすのは機材繰りのスケジュール上、難しい。まずは飛行時間7~8時間程度の中距離便を手掛けるとみるべきだ。
行き先としては、真っ先に候補となるのは、東南アジアのバンコク、シンガポールもしくはクアラルンプールか。いずれも、現地から日本へ乗り入れているLCC便が飛んでおり、需要予想が立てやすいうえ、「日本へ行くのに飛行機も日系の会社を利用したい」と考える現地の顧客層が地元LCCからシフトしてくる可能性が大きいことから、手始めに着手する就航地としてのハードルは低い。
一方、同じような所要時間で飛べるところとしては、ハワイがある。LCC新会社は飛び始める頃には、日本の競合・ANAがエアバス製2階建て超大型機「A380」を就航後となることから、既存キャリアに加え、東南アジアLCCとの競争は起こるものの、日系LCC新会社の参入というトピックは日本人のハワイ旅行マーケットに対する一定のインパクトは与えることができるだろう。
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