デンバー市長「中国より日本企業が重要だ」 成田=米デンバー便就航、世界有数のゲートウェイ

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クラークCEO:ただ、中国経済の予測可能性は、日本ほど高くありません。知財保護の問題もあります。人材や仕事の質の高さなどを考えると、日本企業のほうがわれわれのプロフィールによりフィットしているのではないでしょうか。
デンバーに対する中国企業の投資の大半は、石油やガスの利権買収に関わるものです。世界中からそうした目的を持つ企業は多くやってきます。しかし、投資の継続性を考えれば、日本企業との関係がより大事だと思っています。

――エネルギー関連の産業が発展しているといいますが、「シェールガス革命」の一方で、「グリーンニューディール」という言葉をほとんど聞かなくなりました。

クラークCEO世界的なエネルギー需要が伸びる一方であることを考えれば、それを満たすため、あらゆる燃料源の活用を図らなくてはなりません。シェールガスやシェールオイルを最大限活用するとともに、クリーンテクノロジーにも焦点をあててやっていくのが大事です。

デンバーの場合、両分野の雇用者数はほぼ同数。雇用創出数は毎年いずれも5%程度伸びています。クリーンテクノロジーの分野では、太陽光がふんだんに使えるうえ、「国立再生可能エネルギー研究所」という優れた施設もあります。また、デンバーは非常にいい風の吹くところに立地しています。

ハンコック市長天然資源に関しては、採掘の面で安定していますが、クリーンテクノロジーの開発でも全米の州でトップ5に入っています。この先も「両面作戦」を続けていく考えです。

2026年冬季五輪招致へ意欲

――デンバーは、2026年の冬季五輪招致を計画していますが、1976年には開催地に決まっていながら、返上した経緯があります。

ハンコック市長:「2022年の冬季五輪で米国が招致活動を行うかどうか」という段階で行われた世論調査の結果は、良好でした。1976年当時に比べると、コロラド州やデンバーの住民は自信を深めたといえます。大規模なイベントを主催する経験も積んできました。ローマ法皇の「若者の日」来訪を受け入れたこともあります。民主党の全米大会も開かれました。そうしたなかで、市民は自信を持つようになったのでしょう。インフラの整備も進みました。たとえ、五輪クラスの大型イベントでも開催は十分可能です。世界に冠たる大都市の1つとして、成功に導くことができると思っています。

――すでに立候補を決めているのですか。

ハンコック市長米国オリンピック(五輪)委員会は、国家として22年の冬季五輪を招致しないと決めましたが、同年の五輪でもコロラド州知事とともに五輪を開催したいとの声明を出していました。今後、米国が開催に手を挙げるのならば、準備を進めたいと思っています。

松崎 泰弘 大正大学 教授

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まつざき やすひろ / Yasuhiro Matsuzaki

フリージャーナリスト。1962年、東京生まれ。日本短波放送(現ラジオNIKKEI)、北海道放送(HBC)を経て2000年、東洋経済新報社へ入社。東洋経済では編集局で金融マーケット、欧州経済(特にフランス)などの取材経験が長く、2013年10月からデジタルメディア局に異動し「会社四季報オンライン」担当。著書に『お金持ち入門』(共著、実業之日本社)。趣味はスポーツ。ラグビーには中学時代から20年にわたって没頭し、大学では体育会ラグビー部に在籍していた。2018年3月に退職し、同年4月より大正大学表現学部教授。

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