異例の羽田発着枠配分で広がる波紋 JAL「儲けすぎ」批判は是か非か?

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掟破りの傾斜配分に航空業界が揺れている。

国土交通省は10月2日、来春から運用が開始される羽田空港国際線の発着枠の新規割り当てに関し、全日本空輸(ANA)に11枠、日本航空(JAL)に5枠を割り当てることを決めた。国際線の枠割り当ては長らく、両社で均等に配分することが慣例とされてきた。羽田国際線の発着枠は、1枠当たり年間100億円の売上高を上げるとも言われるドル箱路線。その影響は大きい。

配分の内訳は、英国、フランス、中国などはそれぞれ1枠ずつの配分になった一方で、日本側に1枠しか割り振られていないベトナム、インドネシア、フィリピン、カナダの路線はすべてANAに配分された。また日本側に2枠与えられているドイツ路線は、2枠ともANAに配分された。

反応は対照的

ANAホールディングスの伊東信一郎社長はこの結果を受け、「これまでの当社グループの経営努力について認めて頂いたこと、また昨年8月10日に国土交通省航空局より発信された『日本航空の企業再生への対応について』に基づく判断がなされたことに、感謝申し上げたい」とコメントを発表した。

一方、JALはホームページ上で、「なぜ民間企業の自由な活動を制限するような新たな基準を唐突に設定したのか、(中略)具体的な説明は示されておりません」と厳しい論調の声明を発表。「今後当社としましては、合理的な説明と内容の是正を、国土交通省に正式に求めていきます」と強硬な姿勢を示した。

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