異例の羽田発着枠配分で広がる波紋

JAL「儲けすぎ」批判は是か非か?

国内2大航空会社の間において発着枠が傾斜配分されたのは、実は今回が初めてではない。昨年11月の羽田空港国内線の割り当てでも、ANAが8枠だったのに対して、JALは3枠にとどまった。苦渋を味わったJALは今年9月以降、今回の割り当てをめぐってマスコミなどに「羽田空港国際線発着枠の割当に対する当社の考え」と題した無記名の資料を配付し、説明に奔走してきた。

JALは、傾斜配分が2社間での競争がない路線を生むこととなり、利用者が負担する運賃が高止まりする原因となる、と指摘する。同資料によれば実際、2010年までJALのみが運航していた成田―ジャカルタ線のエコノミークラスの公示運賃は、ANAが参入したことにより、翌年に5%以上下がったという。

背景に「儲けすぎ」批判

国交省が傾斜配分を断行した背景には、JALの経営破綻後のV字回復に対する「儲けすぎ」批判がある。同社が10年に破綻すると、当時の民主党政権は会社更生法適用と企業再生支援機構による公的資金注入という手厚い二重支援を行い、業績のV字回復を全面バックアップした。

税負担が免除されていることもあり、今やJALの最終利益は、ANAの約4倍(13年3月期実績)。ANAHDの伊東社長はこれまで再三にわたり、「歪んだ競争環境の是正をお願いしたい」と訴えてきた。

国交省も今回の決定は「(JALの)新規路線の開設に関しては、適切な競争環境の確保の観点から(中略)抑制的に判断することとしているが、今回の配分もこの考え方に沿ったもの」であるとし、2社の格差是正を目的としたものであることを婉曲的に示した。

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