傾斜配分に噛み付いたJALの本懐 異例の羽田発着枠配分にモノ申す!

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
会見に臨んだJALの植木社長(左)と乘田常務(右)は終始、固い表情だった

掟破りの傾斜配分が、前代未聞の事態に発展した。

日本航空(JAL)は10月4日、来春から増枠される羽田空港国際線の発着枠の新規割り当てをめぐり、国土交通省に是正を申し入れるとともに、行政文書の開示を請求。国交省による今回の判断を「当社と他社の間で不当に不均衡な内容であり、また利用者利便および国益を著しく損なうものでもあることからも、当社としては到底承服できるものではありません」と明記した上で、判断に至った具体的な理由の説明と、発着枠の配分について再考を求めた。

この2日前、国交省は羽田国際線発着の新規16枠を全日本空輸(ANA)に11枠、JALに5枠配分すると発表していた。国際線の枠割り当ては長らく、両社均等が慣例とされてきたが、異例の傾斜配分となった。これにJAL側が猛反発した格好だ(参考記事:異例の羽田発着枠配分で広がる波紋)。

異例の不服申し立て

「公的支援を受けた会社にもかかわらず、という批判を受けることは覚悟している」。東京・天王洲アイルで会見した植木義晴社長は、そう漏らした。行政に対してこのような措置に臨むのは「おそらく初めて」(乘田俊明・常務経営企画本部長)。それでもなお、強硬な姿勢を貫くJAL。その背景には何があるのか。記者会見での主なやり取りは以下のとおり。

――今回の傾斜配分を受けて、中期経営計画への影響は?

植木社長 現在の配分計画なら、中期経営計画は修正せざるをえない。われわれは均等配分で計画を立てていた。今回は16枠だから8枠となるはずだったが、5枠という決定だった。1枠あたり100億円程度の年間収入、20億円の利益と試算されるので、約300億円の減収、60億円の減益に働く。同様の路線が飛んでいる成田の便の収支が傷むとも思っている。

次ページ行政訴訟も辞さず?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事