傾斜配分に噛み付いたJALの本懐 異例の羽田発着枠配分にモノ申す!

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縮小

――アライアンスの分も考慮して配分すべきか。

植木社長 ドイツ路線の配分は2枠あったのが、両方ともANAに行った。(ANAが加盟する)スターアライアンスのルフトハンザがドイツにある。現在でも成田と羽田を併せて、(JALが加盟する)ワンワールドが1、スターアライアンスが5という構図になっている。最終的にどのくらいになるかわからないが、スターアライアンスは少なくとも5枠より多くなる。圧倒的にアライアンスのシェアが変わってくる。アライアンス間の競争には大きな影響があると理解している。

――公的支援を果たした後に制約を加えるのはおかしいと言うが、裏を返せば、公的支援を受けている最中は制約がなかった。再生後に制約を加えているのが現状ではないか。

乘田常務 企業再生支援機構が決めて、裁判所が承認したのは、国内線は3割、国際線は4割を縮小し、それに伴い機材も大幅に減らし、人員も減らすというもの。事業規模の縮小は図られている。おかげさまで支援を受けて、更正計画を終了して、再上場も果たした。新たな株主もいる。ずっと制約が続いていくというのは、いかがなものか。

空港戦略に再考の余地

――中計への影響は避けられないということだが、影響を抑える施策で成長を目指すのか。それとも、考えを変えるのか。

植木社長 大きな方針に変わりはない。以前から言っているように、規模の拡大よりも収益性のキープを考えてきた。それは変わらないが、成長分野も必要。中期計画で当てにしていた便がなくなった。ほかの手法を捻り出す。

中期計画の見直しは不可避

――先月の会見では、成田空港を「海外路線同士を結ぶハブ」、羽田空港を「国内路線と海外路線のゲートウェイ」としていたが、その使い分けに影響はあるか。

植木社長 当然ながら影響はある。成田と羽田、どちらがいいとかでなく、戦略的な位置づけが異なっている。その意味で、羽田でもしっかり枠をキープしたかった。その影響は避けられない。正直言って時間的に余裕はないので、同時並行的にほかの策を考える。

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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