デンバー市長「中国より日本企業が重要だ」 成田=米デンバー便就航、世界有数のゲートウェイ

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米国のほぼ中心に位置するデンバー

――米国において、デンバーにはどのような優位性があるのですか。

ハンコック市長:米国内における「ハブ」では、デンバーとアトランタが双璧です。ただ、アトランタのあるジョージア州が米国の南東部で、中心からはかなり離れているのに対し、デンバーは米国のほぼ中心に位置しており、東海岸なら3~3.5時間、西海岸へは2~2.5時間で飛ぶことができます。「接続の良さ」という面で優位に立っています。

クラークCEO:デンバーの空港をハブとしている航空会社は3社と米国で最も多い。ユナイテッド、サウスウェスト、そして、フロンティアです。カナダ、中米、メキシコにも容易にアクセスが可能です。

――デンバーはウェスティンホテルや、ダウンタウンと空港を結ぶ鉄道の建設など「ゲートウェイ構想」を推進しています。

ハンコック市長:デンバーは、次世代を見据えたグローバル都市になると見ています。ロッキー山脈西部の中心に位置しており、デンバーを経由して世界のグローバル市場にアクセスすることができます。ビジネスに対してはオープン、しかもグローバルな規模で対応したいと考えています。直接投資の誘致も図りたい。外国企業に本部をデンバーへ移転してもらったり、拡張の一貫として拠点を置いてもらったりするよう働きかけを行うつもりです。今回の直行便の就航で、そのチャンスが大きく広がった。デンバーの地元企業も、いながらにして世界にアクセスできるようになるでしょう。

クラークCEO:デンバーは東京以外にブラジルのサンパウロやドイツのフランクフルトとも直行便で結ばれています。世界全体の国内総生産(GDP)の8割が3都市を結んだトライアングルの中に集まっている。都市が将来にわたって国際的な競争力を維持するには、直行便が就航しているか否かが極めて重要だと考えています。

各国から進出相次ぐが、日本企業との関係がより重要

――現在、40社程度の日系企業がデンバーに進出しています。

クラークCEO:コロラド州やデンバーではテクノロジー、エネルギー、医薬品、放送、電機・通信、医療機器などの産業が盛んです。日本は今、不況から脱して再び、存在感を高めつつあるところです。日本はアジアにおいてわれわれと最も相性のいい国。フォーカスしているのは日本であり、それに比べると他国は日本ほど重要ではないと考えています。

  ――中国企業誘致への姿勢は。

ハンコック市長もちろん、「どうぞ、ぜひきて下さい」です(笑)。北米事業の拡大にあたってコロラド州やデンバーが最適な場所であると思ってくれるのならば、日本企業でもどこでも歓迎したい。経済基盤の多角化を図り、雇用創出も図りたいと思っています。グローバル化を進めるうえでも、各国企業の進出はプラスです。

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