「富裕層の子弟ならばいいのですが、親戚中からおカネをかき集めて留学してきた学生が就職できずに帰国するのを見ると、胸が痛みます」(都内私立大学キャリアセンターの職員)
日本政府は2008年からグローバル戦略の一環として、留学生受け入れを強化。その結果、外国人留学生の高等教育機関在籍数は、2008年の12万3829人から2017年の18万8384人まで、約1.5倍増となった。少子化対策もあって、積極的に外国人留学生を受け入れる大学が増えている。
しかし、留学生数が増えても、日本国内で就職できる留学生は少ない。2016年度に卒業した外国人留学生のうち、日本国内で就職できたのは、わずか31.1%にすぎないのだ(日本学生支援機構調べ)。
「もともと日本企業に就職する気持ちはなかったのではないか」、「日本経由で第3国へ留学するつもりだったのだろう」と見る向きがあるかもしれないが、それは完全な間違いだ。
留学生の半数以上が「日本で長期間働きたい」
人材サービスのパソナグループは2007年から、外国人留学生向け就職イベント「JOB博」を毎年開催している。そのパソナが2017年11月のJOB博に参加した学生を対象に実施した調査では、32.3%の留学生が「日本で永住して働きたい」、19.9%が「10年以上働きたい」と回答した。短期間ではなく、日本で長期間働きたい留学生が半数を超えている。
また日本に留学した理由の第1位は、「日本企業で働きたいから」で全体の35.8%。第2位の「日本文化に興味があるから」は26.6%だった。日本に来てから就職を考えたのではなく、母国にいるときから日本での就職を強く意識していたのだ。
留学生が求めている主な就活関連情報は、「外国籍人材を採用している企業はどこか」「就職活動の方法」「企業が求めるスキルや人材とは」の3つ。日本で就職したいのだが、基本的なことがわからず、困っている様子がうかがえる。
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