就活生は「売り手市場」を勘違いしていないか 自分の希望が通らないのはこれが原因だった

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2月末に都内で開かれた「キャリタス就活フォーラム」(ディスコ社主催)の様子。売り手市場になると、人気企業や大企業への志望がさらに増える‎ (撮影:風間仁一郎)

就活生にとって有利な売り手市場が続いているが、このような状況でも、卒業して「既卒」(学校を卒業したが就業先が決定していない人)となる人は一定数いる。

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文部科学省「学校基本調査」の卒業後の状況に関するデータを見ると、2017年の学部卒業生56.7万人のうち、正規の社員として就職した人は41.3万人、進学者(専門学校や留学含む)は7.7万人となっている。その一方で、「正規社員ではない就職者」が1.8万人、「一時的な仕事に就いた人」が0.9万人に及ぶ。そして、「それ以外の人」(就職も進学も決まっていない人)は、4.4万人に達する。12人に1人は就職も進学もできていないことになる。

現場で就活相談を受けていると、既卒となった理由や背景も人それぞれ。就活をしたけれど内定を獲得できなかった人、内定をもらったけど入社辞退をして卒業した人、そもそも最初から就職する意思がなかった人など、多岐にわたる。

12人に1人は就職も進学もしていない

就職内定率が高く、企業の採用枠がこれほど余っているにも関わらず、就職先を決定できない人がいるのはなぜか? また、内定を獲得していながら、就職浪人のために内定を辞退する人が存在するのはなぜなのか?

今回は、空前の超売り手市場でも起こりうる「需給ミスマッチ」の理由や対処法を、4つのポイントに絞って解説していきたい。就職活動真っ只中の2019年新卒だけでなく、「既卒」として就活を行っている人も、参考にしてもらいたい。

1 大手や人気企業はいつでも「超買い手市場」

就職活動の相談に来た求職者に聞くと、次のような意見をよく耳にする。

「中小企業で内定をもらったが、大手じゃないので内定辞退しました」、「事務職を志望しているが、書類が通らなくて」、「1社目の会社で自分の一生が決まると思うので慎重に選びたい」……。確かに就活を行ううえでは、「自分の希望」が最も大事なのは間違いない。

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