3 人生は「1社目の会社」で決まるわけではない
本当に1社目で自分の一生は決まってしまうのか? 結論から言うと、そんなことはない。確かに1社目で経験する仕事や働く環境は、その後のキャリアに大きな影響を与えることになる。しかし、最初に選ぶ仕事や会社の選択で自分の一生が決まってしまうと考えてしまったら、何も選べなくなってしまう。「もし会社選びに失敗してしまったら、転職すればよい」ぐらいのスタンスがあってもいい。
ただ、転職のしやすさは人によって違う。たとえば、その人が経験してきた仕事が、需要(ニーズ)の高い仕事だったらどうだろうか? 間違いなく転職はしやすくなる。
しかし、需要が高い仕事をしていたが、その仕事は合っていないので変えたいと思ったらどうなるか? その場合、どの職種でも左右されない「社会人基礎力」のようなスキルが身に付いているかによって、転職のしやすさは変わってくる。
どこでも通用する「基礎スキル」を身に着ける
具体的には、次のような「基礎スキル」が身についていれば、どこでも通用する。
・ルーティン化した業務であっても効率化できる「業務整理スキル」
・IT化が進む業務ツールを使いこなす「ITリテラシー」
・自身のアイディアを相手に納得してもらって進める「提案力実行力」
仕事を変えるにしても、これらの能力を身に付けてから転職活動を行い、アピールすることで、結果はガラッと変わってくる。もし就職先の選択肢に困っていたなら、これらの能力が身に付けられる機会があるかを基準にするのもよいだろう。
4 これから必要なのは「仕事の需給」を予測する力
就活市場における需給バランスは、社会環境の変化によって影響を受ける。ここ5年間だけでも次のような変化があった。
・少子高齢化によって医療や介護の仕事が増加
・東日本大震災の復興や、東京オリンピックの開催決定により、建設需要が増加
・IoT(様々なモノがインターネットに繋がる)により通信やIT分野の仕事が増加
・事務職中心に非正規シフトが拡大し、その割合は4割に
・シャープ、東芝といった大手製造業の苦境を見て、大企業に対する不信感が強まる
・何よりも「安定」を求める傾向から公務員人気が増加
・残業が少ない会社、休みが多い会社など、ワークライフバランスが取れる会社に関心が高まる
・複業やフリーランスへの憧れ
売り手市場に惑わされずに、地に足のついた就活をするためには、常識や先入観にとらわれないことが重要だ。現状を客観的に把握し、これからの社会がどのように変わっていくのかを、予想するのが必要になってくる。
現代において、「この会社に入れば定年までの40年間は安泰」なんて会社を、誰も予想できない。だからこそ、労働市場の需給バランスに関して情報収集をし、会社に頼らない個人としてのスキルを高めていくことが求められる。
2019年卒の就活も売り手市場となっているが、「就活ミスマッチ」を起こさないためにも、ぜひ参考にしてもらいたい。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら