やみくもな「分散投資」がかえって損する理由 ローリスクなのにハイリターン投資は可能か
iDeCoや、つみたてNISAを活用すれば、税制優遇を受けながら「資産分散」と「時間分散」を生かした投資を行うことができますが、これらの制度を使い分けたほうがいいでしょう。
今の時代、インターネットで、誰でも自分に合ったローリスク・ハイリターンの資産配分比率を求めることができます。しかし、それだけを参考にするのではなく、そこから算出された結果を基に、現在の金融・経済の状況を考慮し、選択する商品、資産配分を微調整する必要があります。それは、自らの資産をどの口座(iDeCoか、NISAか、つみたてNISAか、一般口座か)で運用するのが最適かを検討するためです。
ただ、これを自分一人でやるのは難しいものです。
冒頭の中橋さんは、資産運用にあまり詳しくない証券会社のセールスマンに相談して、勧められるがままに運用商品を買うことになりました。その結果、単に数多くの商品に投資することを「分散投資」と誤解してしまい、かえって大きなリスクを負うことになったのです。
「真の分散投資」を提案できる人の見分け方とは?
では、人からアドバイスを受ける際、何に注意をすべきでしょうか。まずは、正しい相談相手を選ぶことです。そのための重要なポイントは、次の2つです。
①その人が資産運用についての「正しい知識」「豊富な経験」を持っているかどうか。セールスをしている銀行マンや証券マンの大半は、「販売のプロでも運用のプロではない」と思ってもらってかまいません。
②所属する組織と利害のある商品、サービスを売りつけようとする人を避け、そうしたバイアスのない人を選ぶこと。当然ですが、金融機関のセールスマンは自分たちに利益をもたらす商品、サービスを売りたいわけです。それらは必ずしも、購入者・利用者が儲かる商品、サービスではありません。ほとんどの場合、両者の利害は反することになります。
ファイナンシャルプランナーなど、おカネの専門家に相談する場合も、同じです。お試し相談やセミナーを利用して、これらの観点から本当にふさわしいかどうかを見極めてください。分散投資という言葉は知っていても、正しい中身について知っている人は意外と少ないものです。
最後に、資産アドバイザーに適した相手かどうかを見分ける魔法の言葉をお教えします。
「リスクを抑える分散投資って、どうやったらいいのですか?」
もし、この問いに、わかりやすく明確に答えらえる人でなければ、相談しないほうがいいでしょう。「ローリスク・ハイリターン」投資をするには、まずは自分に合った相談相手を見つけることです。そして、着実に資産形成をすることで、100歳時代といわれる長い人生を楽しく生き抜いていかれることを祈っています。
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