やみくもな「分散投資」がかえって損する理由 ローリスクなのにハイリターン投資は可能か

拡大
縮小

ここから話を先に進めるにあたって、まずリスクとは何かを知っておきましょう。金融の世界では、リスクとは「価格変動の大きさ」のことをいい、標準偏差という数値で表します。リスクが大きければ大きいほど、利益も損失も大きく変動することを意味します。

では、早速「ローリスク・ハイリターン投資法」の種明かしをしていきます。資産Aと資産Bの2つに投資したケースを考えてみましょう。

資産Aの期待リターンを2%、リスクを5%とします。
資産Bの期待リターンを4%、リスクを10%とします。

この2つを組み合わせ、それぞれの割合を変えることで、ポートフォリオ全体に及ぼすリスクとリターンの関係比率を見てみましょう。1つ目は、資産Aの価格が高くなると、資産Bの価格も同じように高くなるという関係(相関係数1)の場合です。

資産Aだけの場合、リスクは5%、期待リターンは2%です(図1の①)。資産Bだけの場合、リスクは10%、期待リターンは4%となります(図1の②)。

同じ動きをする資産同士を組み合わせてはいけない

そして、両方の資産を組み合わせ、その割合を変化させた場合、ポートフォリオ全体でリスクが高ければ高いほど、期待リターンも高いという関係が成り立ちます(図1の③)。

この場合、分散投資したつもりでも、実際は本来の分散効果が得られていないのです。リスクの高い資産の割合を増やすと、ポートフォリオ全体のリスクも高くなっていきます。これだと、資産額も損失額もともに増える可能性が高まるのです。つまり、「同じ動きをする資産同士を組み合わせてはいけない」ことになります。この場合、リスクを減らす効果はなく、利益や損失の変動を抑えることはできません。中橋さんのように、こうした分散投資によって、知らず知らずのうちに大きなリスクを負っていることがあるのです。

次ページ利益と損失の変動を抑えるのが分散投資
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT