就活では難易度が低い大学は不利な扱いを受けることがある。企業は大学偏差値を熟知しており、学力の指標として使っている。しかし、大学に対する評価があるにしても、努力によって成長した学生に対しては、高評価を与えることが多い。
・「偏差値はあまり高くない大学の学生でしたが、人知れず学生時代に努力しつつ、部活動にも力をいれながら、TOEIC820点台を持っており、礼儀礼節もしっかりできていた学生」(301~1000人、サービス)
企業は優秀人材の獲得を目指すが、優秀でありさえすれば内定を出すのかと言えば、そうではない。自社人材のバランスを考えて採用している。今回のアンケートでは、7カ国語を話す学生を不採用にした企業があった。
・「7カ国語を話す学生。とても独創的で興味深いが、既存社員とやっていけない?と思い、泣く泣く不採用に。その選考基準のあり方がコンサバティブで、われながら反省しました」(300人以下、運輸)
きちんと会って内定辞退のあいさつをする
コンサバティブとは保守的という意味だが、この人事は古臭い価値観にとらわれていることを自省している。こういう体質から脱さないと、企業文化のイノベーションは起きないかもしれない。
2019年卒就活は早まっており、4月は選考真っ盛りの時期だ。内定出しが始まっているので、企業が就活を終わらせる”オワハラ”を迫られる学生がいる一方で、企業が不合格の連絡をしない”サイレントお祈り”をされる学生もいると思われる。
一方で、内定を辞退する学生もいる。辞退の意思表示をメールで行うことが多いようだが、中にはきちんと企業に連絡し、会ったうえで辞退の理由を説明する学生もいる。こういう態度がとれる学生は、社会人になってからも責任を引き受けることのできる人材なので、採用担当者への印象は強く、辞退されても好感が残る。
・「メールなどで簡単に内定を辞退する学生もいる中、アポイントを申し入れ、なぜ別の選択をすることにしたのか、きちんと自分の言葉で説明をしてくれた学生。内定には至らなかったが、今後その学生が社会人となった際、機会があればぜひ一緒に仕事をしたいと思ったし、また、キャリアを積んで当社への転職を希望することがあれば、ぜひ受け入れたいと思いました」(301~1000人、マスコミ・コンサル)
内定の辞退にも人間性が表れる。辞退してもいいが、きれいに辞退してもらいたい。いずれにせよ印象が悪くないに越したことはない。
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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda
編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。
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