気をつけてもらいたいことがある。元気で明るくふるまおうとしても、裏目に出ることもあるのだ。「大声がうるさく、締まりのない表情で、対応に知性が感じられない」と判断されないように注意してほしい。
「元気で明るい」は「好かれる」という言葉で言い換えることもできる。好かれる学生の特徴は、自信を持っていることだ。
「私にお任せください」という学生は少ないから、印象は強くなる。またスポーツに関連付けて回答するのもユニークだし、頭の回転の速さが印象的だろう。
ハキハキだけが評価されるわけではない。話し方がたどたどしくても、話の内容によっては、みずみずしく響き、誠実な印象を与えることもある。
論語には「巧言令色鮮し仁(こうげんれいしょくすくなしじん)」という言葉があり、口先の巧みな言葉や微笑みで人にこびへつらうことを戒めている。現代の就活でもこの言葉は生きている。ストーリーを作ったり誇張したりする学生への評価は低く、実直さ、素朴さ、誠実さをプラスポイントとする面接官は多い。
たどたどしくても誠実であれば好印象
就活の用語に「自分軸」という言葉がある。安易に影響されずに、ブレない軸(価値観)を持って話し、ふるまえることを指している。四文字熟語で言うと、言行一致、首尾一貫などが近い意味を持ち、行動と言葉が一致し、矛盾がないことを指す。
採用面接では志望動機の質問で自分軸が測られている。軸があいまいで入社意欲が見えない学生に内定を出しても、ふらふらと他社に行くかもしれない。仮に採用しても、翌年までもたない可能性がある。
一方、軸がしっかりしている学生は、ふらつくことが少なく、約束を守ることが期待できるので、安心して内定を出せる。入社後には将来の中核人材として成長する可能性が高い。
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