面接で「良い印象を残す就活生」の共通点 目を見る、軸がブレない、自分の言葉で話す…

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​気をつけてもらいたいことがある。元気で明るくふるまおうとしても、裏目に出ることもあるのだ。「大声がうるさく、締まりのない表情で、対応に知性が感じられない」と判断されないように注意してほしい。

「元気で明るい」は「好かれる」という言葉で言い換えることもできる。好かれる学生の特徴は、自信を持っていることだ。

「最終面接で、最後に一言あればと促すと、『これからの○○社は私にお任せください!』と宣言した学生。ハキハキと自信をもって発言することが大事と感じた」(301~1000人、サービス)
「すべての質問に対し、学生時代を通して、自分が注力してきたスポーツに関連付けて回答した学生がいました」(301~1000人、サービス)

​「私にお任せください」という学生は少ないから、印象は強くなる。またスポーツに関連付けて回答するのもユニークだし、頭の回転の速さが印象的だろう。

ハキハキだけが評価されるわけではない。話し方がたどたどしくても、話の内容によっては、みずみずしく響き、誠実な印象を与えることもある。

論語には「巧言令色鮮し仁(こうげんれいしょくすくなしじん)」という言葉があり、口先の巧みな言葉や微笑みで人にこびへつらうことを戒めている。現代の就活でもこの言葉は生きている。ストーリーを作ったり誇張したりする学生への評価は低く、実直さ、素朴さ、誠実さをプラスポイントとする面接官は多い。

たどたどしくても誠実であれば好印象

「ぼくとつとした感じで、大学生活では学業(実習)しかしていないので、それ以外を語ることはできません、と言った学生がいました。パフォーマンスもなく、非常に誠実だったのが、印象に残っております」(301~1000人、メーカー)
「たどたどしくもしっかり自分の意見・考え方を述べた方」(301~1000人、サービス)
「専門知識はないに等しいが、自分の言葉で伝えようという思いや、熱意が伝わってくる。表情や回答の一言一言が一生懸命で、こちらも話を聞きたくなった」(301~1000人、情報・通信)

​就活の用語に「自分軸」という言葉がある。安易に影響されずに、ブレない軸(価値観)を持って話し、ふるまえることを指している。四文字熟語で言うと、言行一致、首尾一貫などが近い意味を持ち、行動と言葉が一致し、矛盾がないことを指す。

採用面接では志望動機の質問で自分軸が測られている。軸があいまいで入社意欲が見えない学生に内定を出しても、ふらふらと他社に行くかもしれない。仮に採用しても、翌年までもたない可能性がある。

一方、軸がしっかりしている学生は、ふらつくことが少なく、約束を守ることが期待できるので、安心して内定を出せる。入社後には将来の中核人材として成長する可能性が高い。

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