就活生は「内定サイン」を見逃してはいけない 「6月1日に会おう」は採用意思がある可能性大

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「最終面接が笑顔で進んだ。定型的な会話はなく、日常会話的なものが多かった」(関西学院大学・文系)、「相手の笑顔が好意的だった」(近畿大学・文系)、「面接の最後に笑顔で見送ってくれたとき」(日本大学・理系)

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もちろん面接官との問答の中身も重要だ。定型的な質問なら、応募学生の1人に過ぎないが、親しい雑談をしたなら、面接官はともに働く仲間として見てくれた可能性が高い。「話が弾んだ」(早稲田大学・理系)、「最終面接(5月中旬)で内定者に対しての行事について説明された。入社後は実家を出るかどうかについて雑談をした。あまり突っ込んだ会話はなく、ずっと雑談をした」(青山学院大学・文系)

ただし笑顔や話の盛り上がりが内定を約束するわけではない。笑顔の面接官とうまく話せて、「絶対内定をもらえる」と思っていたのに、アウトだった学生は多い。巧妙な面接官は笑顔で優しく話し、聞き上手なので、学生は勘違いする。

人事が役員面接のアドバイスをすることも

人事が学生にアドバイスすることもある。多くは役員面接による最終選考の前に、役員の質問や性格について教える。人事としてはぜひほしいが、役員面接で覆されるケースも少なくない。そこで突破してもらうためのアドバイスをする。

「最終面接の直前、電話があったこと(面接へのアドバイスなど)」(金沢大学・文系)、「第3選考前に今からが山場だと言われたこと」(下関市立大学・文系)。第3選考と書かれているが、人事による選考は終わり、管理職面接、役員面接の段階を指しているのだろう。

仕事についてのアドバイスをもらうこともある。後輩に向けてアドバイスしているので内定を意味することが多い。

「面接中にその会社の仕事のアドバイスが聞けました。かなり細かなところまで言ってくださっていたので、もしかして受かっているのかなと思いました」(阪南大学・文系)、「最終面接時に自分の欠点について説明されたとき、前向きなアドバイス、フォローをしてくれたこと」(秋田県立大学・理系)

以上、昨年6月に実施した学生アンケートから、「内定」のサインについて紹介してきた。このほかにも、「入社後の出張」「社員との食事会」「他社を辞退してほしい」「君は大丈夫だから安心していい」「面接官とのLINEの交換」「非公式の座談会」など、いろんなサインがある。

これからの面接で同じサインを受ける学生も多いだろう。ただし、聞いたからといって、安心してはいけない。サインは「内定」ではなく、あくまでもサインだ。もしかしたら意図したサインではないかもしれない。ぬか喜びは危険。「合格」という言葉を聞き、人事からの「内定」の連絡を受けて、初めて就活は終わる。健闘を祈りたい。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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