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中学まではクラスメイトを見下していた
加藤さんは子どもの頃、自分のことを天才だと思っていた。
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「小学校のテストは常に満点。小学校のテストは100点を取れる人が多いですが、それでも特に自分は勉強ができると思っていました。たとえば、小学3年生で47都道府県を全部言えたので、やたら周りの大人から褒められました。
中学生の頃は釣りにハマり、魚の図鑑を食い入るように読み、たくさん魚の名前を覚えました。学習旅行で水族館に行った際、僕はレクリエーションの係だったので、はりきって非常にマニアックな魚のクイズを出題したら、当然みんな答えられません。そんな姿を『こいつらバカだなぁ』と思って見下していました。今思うとバカなのは僕のほうなのですが……」(加藤さん)
こんな具合だったので、クラスメイトとのコミュニケーションもうまくいかない。そして、衝動的な言動により対人関係でトラブルを起こしたり、手に菌がついているのではないかと気になって手を洗い続けたりしたことから小学6年生のときに心療内科を受診。その際、医者からADHDだと診断された。しかし、自分が障害者だということを受け入れたくなく、中学2年生を境に通院をやめてしまった。
小学生の頃と同じように相変わらず自分のことを天才だと思っていたので、中学でも特に勉強はしなかった。それでも成績は中の上だった。自分の成績ならばこのくらいの高校だろうと選んだ進学校も無事合格。楽しい高校生活が待っているのだろうと思っていたら、ついにここで転んでしまった。
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