「デキる社員」を増やすには払うか、育てよ スキル不足を補うにはどうしたらいいのか

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コーナーストーンは査定を行っているけれど、社員に対してその都度スマホを使ってフィードバックをする仕組みもある。たとえば誰かの仕事に対して「バッジ」をあげることができて、それをほかの社員が見たり、コメントしたりもできる。フェイスブックの「いいね!」みたいなものだ。それを見たほかの社員が「今日はバッジもらっていたね」という具合になれば、「自分の仕事を誰かが見ている」ことがわかる。

これは、ゲーミフィケーションのようなもので、ためたバッジは査定のときに考慮される。査定する上司からすると、どういう仕事でバッジを受けて、どういうフィードバックを得ているのかというのを確認することができるわけだ。

デジタル時代に幸せになるには

――その都度声をかけたり、評価するのは日本人の得意とするところではないかもしれません。

アメリカでは、上司がきちんとほめないと、会社を辞めてしまうということもある。海外の大学や企業に勤めた人はこういう習慣に慣れてくるし、今度どんどんそういう人が増えてくるかもしれない。日本企業も伝統的な人事のやり方や、社員同士の関係性を見直さないと。

――個人レベルで言えば、将来どんなスキルがあれば生き残れるのか気になります。

自分のキャリアを自らコントロールできる人が、デジタルエコノミーの中で「survive=生き残る」のではなく、「thrive=大きく成長する」ことができるだろう。誰しも幸せになりたいと考えていると思うが、幸せになるにはどうしたらいいか、さらに、それをデジタル時代に当てはめた場合、どういうキャリアになるのかを考えるべきだろう。

――スキルを身に付けるにはスクールに通わなくては、と考えがちですが。

グーグルこそ将来の学校だ。必要な情報はネットを通じて身に付ければいい。大事なのは、どんなコースを修了したかではなく、そのスキルでどんなことをしてきたか、だ。それを示せるようにならなければいけない。

倉沢 美左 東洋経済 記者

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くらさわ みさ / Misa Kurasawa

米ニューヨーク大学ジャーナリズム学部/経済学部卒。東洋経済新報社ニューヨーク支局を経て、日本経済新聞社米州総局(ニューヨーク)の記者としてハイテク企業を中心に取材。米国に11年滞在後、2006年に東洋経済新報社入社。放送、電力業界などを担当する傍ら、米国のハイテク企業や経営者の取材も趣味的に続けている。2015年4月から東洋経済オンライン編集部に所属、2018年10月から副編集長。 中南米(とりわけブラジル)が好きで、「南米特集」を夢見ているが自分が現役中は難しい気がしている。歌も好き。

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