「デキる社員」を増やすには払うか、育てよ

スキル不足を補うにはどうしたらいいのか

――経営者に求められる資質も変わりますね。

新たなリーダーの形が必要だろう。リーダーシップはこの20年間で大きく変わった。かつては、トップの意向に誰もが従わなければいけなかったが、それがそれぞれ機能や専門に合わせたリーダーが必要とされるようになり、今は組織の一番下で社員を鼓舞してやる気を引き出し、それぞれの価値を引き上げるように支えるのがリーダーの役割になった。企業や業界、国の枠を超えて考えられるようなスキルも必要になってきている。

「同じ社内にいない人」を管理する能力も欠かせない。自分は米国にいたとしても、社員は世界中にいて、たとえば米国と日本ではカルチャーも考え方も異なる。それをお互い妥協させるのではなく、互いの違いや考えを学ばせて、納得できる答えを導きだせなければ。

若い社員を鼓舞し続けるには

――日本企業は変革することが苦手です。

日本企業はこれまで日本を中心に据え、伝統的な経営を続けてきたが、変革を迫られているのは変わらない。変革にはイノベーションが必要だが、日本にいるだけではイノベーションは起きない。今の日本企業に必要なのは、生き残るには変化が必要だという考えで、それには伝統的かつ日本特有の人事の在り方を見直さなければいけない。

日立製作所はこの点で優れている。伝統的な企業で多くの子会社を抱えているが、将来的に子会社も含めて「日立」として生き残っていく場合、何をする必要があるか、どんなスキルがあるかを見極めた。子会社レベルの採算ではなく、会社全体としてどうなるべきかを考えたわけだ。そして、伝統的な日本的人事ではなく、グローバルレベルで人材を管理するのには何が必要かというところにたどり着いた。

――若い世代には、「年数回の評価査定」ではなく、その都度フィードバックをするのが大切だとも話していますね。

社員の査定については、世界では現状二極化している傾向がある。「もう査定はやらない」という企業もあるし、より伝統的な年数回の査定を行っている会社もある。

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10年前に統合構想が破談になった三菱重工業と日立製作所。その後両社は対照的な道を歩み、2009年に伯仲していた時価総額は今や日立が大きく上回っています。本特集では明暗が分かれた三菱重工と日立を主軸に、製造立国・日本の生きる道を探りました。

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