売れない営業は競合との差別化がうまくない 価格だけでなく立ち位置、強み、弱みを知ろう
そこが強みだと認識し、この会社では、営業マンがお客さまとの商談で技術的な面で話が止まってしまうことがないように、常に設計部隊が営業に同行するスタイルに変え、その場で問題解決ができるようにしたのです。その結果、競合と差別化が図れ、信頼を得ることができました。社風を分析して奏功したよい例です。同業の競合他社は、技術力では拮抗していることが多いので、営業のスタイルを変えることに勝機を見出したのです。
「SWOT分析」で、自社の強みと弱みを知る
「SWOT分析」とは、内部環境や外部環境について分析を行い、方向性や改善策を出して、戦略を考える手法です。自社の強み (Strengths)、自社の弱み (Weaknesses)、自社にとって影響を与える機会(Opportunities)、脅威 (Threats) の4つに分けます。それぞれの頭文字をとって「SWOT分析」といいます。
●自社の強み (Strengths)
自社が他社よりも優れており、競合他社に勝てる要因を考えてみます。
・徹底的に音質にこだわったスピーカーを製造する技術力がある。
・会社全体でのチームプレーで素早い提案営業ができる。
●自社の弱み (Weaknesses)
自社が他社よりも劣った、負ける、苦手な要因を考えてみます。
・コンポが売れていた分、デジタル化の波に会社全体が後手になってしまった。
・押し寄せるデジタル化に対応できる人材が不足している。
●自社にとって影響を与える機会 (Opportunities)
自社にとって有利で安全な、役立つ市場の変化などを考えてみます。
・デジタル化が進んでも、音質にこだわるユーザーは意外と多い点。
・高音質スピーカーの技術は、デジタル化した商品にも対応できる。
●脅威 (Threats)
自社にとって、不利な、危険な、負担増となる変化などを考えてみます。
・もはやコンポは売れないので、生産自体を大幅に縮小せざるを得ない。
・スマートフォン向けのヘッドホンやイヤホンなどの周辺機器への事業転換が必要。
このように、2つの分析方法で自社と競合他社を分析していくことで、それぞれの強みと弱みを明確に把握できるようになり、会社自体の方針もいち早く軌道修正できます。
営業という仕事は本来、ビジネスの最前線にいます。よって営業は、会社自体が向かう方向性さえも握る、とても重要な仕事なのです。そこまでの意識をもって日常の業務にあたれば、営業として一段階も二段階もレベルアップできるようになります。
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