売れない営業は競合との差別化がうまくない 価格だけでなく立ち位置、強み、弱みを知ろう

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ではこうした側面から、どのように競合他社との差別化を図ればいいのでしょうか。ここからは、「3C分析」と「SWOT分析」という2つの分析方法を用いて、「自社と他社の強みと弱み」などを分析し「差別化」を図る考え方をお伝えします。営業で重要なのは、やはり「分析」に他なりません。現状を正しく分析し、それに沿った提案をする。これができる営業マンになることで、仕事のスキルは大きくアップします。

「3C分析」で、自社と競合の立ち位置を知る

「3C」とは、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つ頭文字を取ったもので、この3つを考えることで、自社と競合の立ち位置を知ることができます。

企業によっては、若手営業マンにこれを徹底的に自社や他者を分析させているところもありますが、たいていは、長年の経験から身についた感覚で、営業活動している人が多いのが実情です。特に営業初心者は、分かっているようで分かっていないケースも多いので、あらゆる面から分析してみることをおすすめします。

顧客(Customer)

以前私が担当していた情報機器メーカーは、当時、家電が全盛期であったこともあり、音質の高いコンポの売上は過去最大レベルでした。よって新規開拓よりも、この得意先でのシェアを上げるような方針で営業をしていました。また、このお客さま内での自社のシェアを拡大する目的で、新機能の搭載を積極的に提案し、そこで他社との差別化を図っていました。これは、自社に音質へのこだわりを製品化できる高い技術力があった部分も大きいのですが、それを武器にした提案営業に光明を見出した分析が、この競争に勝った大きな要因でした。

競合(Competitor)

競合を分析する場合には、まず自社の競合の強みと弱みを正確に把握します。そして、その競合先と自社はどのような点で差別化できる可能性があるのかを考えていきます。

私が電子部品メーカーに在籍していた時、担当していたクライアントとなる情報機器メーカーで、競合となる会社は10社以上ありました。しかし他社の分析をしてみると、そこから自社の強みが見えてきたのです。他社は私の会社に比べると、コンポという製品の機能は同等としてもフットワークの面があまりよくなく、商談で出た内容を次の提案にもっていくまでに、私の会社よりも時間がかかる傾向が顕著でした。その点、私の会社は営業も開発も非常にフットワークがよく、提案内容やサンプルを具現化するスピードが速い部分が何よりの強みでした。また、自社は営業拠点が多いことから、アフターの面でもフットワークがよく、他社に比べると若干価格は高いものの、製品の提案のスピードと品質、アフターという面では明らかに自社にアドバンテージがある状況でした。

自社(Company)

ここでは、自社の魅力を分析します。魅力とまではいかなくとも、競合他社と比較して勝っていると思われる部分を徹底的に考えます。

私がこの時在籍していたのは、個人プレーに走る人が少なく、営業、設計、工場との連携がよくできており、みんなで協力して盛り上げていこうとする社風の会社でした。一見当たり前に思うかもしれませんが、本当の意味で風通しがいい会社というのは少なく、会社全体での動きにまとまりがあり、かつ小回りもききます。

次ページ「SWOT分析」とは?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事