「授業料無償化」の裏で家計を蝕む“隠れ教育費”のリアル…公立も私立も関係なくジワリ増えている項目とは?

この4月に高校授業料無償化の拡大や多子世帯への大学授業料の無償化など、補助制度が拡充されました。しかし、手放しで喜んではいられません。
学校の入学金、授業料、学用品などに保護者がかけた「学校教育費」の平均額は、子どもが公立小学校の場合で年間8.2万円、公立中学校で年間15万円でした。いずれも2年前の前回調査に比べて増加し、調査開始以来過去最高を記録しました(文部科学省「令和5年度子どもの学習費調査」より)。
小中学生の学費が増えている理由
公立小・中では入学金・授業料や教科書代はかからないにもかかわらず、年間学費がそれぞれ2万円近く上がっています。「隠れ教育費」とも言われる出費が、物価高も相まってじわじわと子育て世帯の家計を圧迫しているのです。
そのおもな要因のひとつが、学用品や実習のための教材費です。具体的には、授業で使う文房具、体育着、音楽で使うリコーダー、家庭科で使う裁縫道具や調理器具などです。
これらを含む「図書・学用品 実習材料費等」への支出は、公立小学校で年間2.4万円→3.2万円と、2年前に比べ8000円高くなりました。中学校では教材費のほか、修学旅行費(約1万円増)、通学費(約5000円増)などの上昇も目立ちます。交通費や宿泊料のほか、材料費の高騰で制服も値上げの波を受けている影響です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら