「授業料無償化」の裏で家計を蝕む“隠れ教育費”のリアル…公立も私立も関係なくジワリ増えている項目とは?
私立での負担増は、より顕著です。私立小学校の「学校教育費」の平均は年間105万円、私立中学校は年間113万円と、こちらも過去最高でした。
公立と同様に学用品費や修学旅行費の増加が大きく、特に私立中学校の修学旅行費は年間約3万円→約6.5万円と2倍以上になりました。また、施設設備費、PTA会費、寄附金などの学校納付金も増加しており、私立小学校では年間16万円→20万円に上昇しています。
なお、私立の学費のなかで最も大きなウェイトを占める授業料は、私立中学校では年間47.6万円→45.8万円と減少、私立小学校では年間53.6万円→53.5万円とほぼ変わりませんでした。
私立中学の学費を巡っては、東京都では2023年度以降、年額10万円の授業料補助を受けられるようになっています。2024年度からは所得制限が撤廃されたため、都内在住で私立中学に通う家庭の授業料の負担は広く抑えられるようになりました。ただ、教材費や修学旅行費など授業料以外の値上げにまで対応するものではありません。
幼~高の15年間の負担も増加
一般的に子どもの教育費には、学校でかかる学費だけでなく、塾や習い事、家庭学習やスポーツなど家庭での支出も伴います。また、子どもが成長するまで長期間にわたってかかります。
先ほどの文科省の調査によると、教育費全般を含めた「学習費総額」の幼稚園から高校までの15年間での合計額は、ずっと公立校に進学した場合で約600万円です。
この金額も近年上がり続けていて、2年前に比べて22万円、4年前に比べて55万円も高くなってしまいました。進路の一部または全部で私立校に進学すると、当然ながら合計額は膨らみます。高校だけ私立の場合は約720万円、幼稚園からずっと私立なら2000万円近くに達します。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら