
「ワイガヤの街」。大阪を一言で表すならば、多くの人がそう言うだろう。友人や家族と連れ立って、「これ似合うかな」「むっちゃ美味(おい)しいなあ」と会話をしながら、買い物や食事を満喫する。日常会話にもユーモアあふれる「ボケ」と「ツッコミ」を欠かさない。
そんな大阪のにぎわいを象徴するように、各所で再開発プロジェクトが活発化している。とくに注目を集めるのが、大阪駅北側で進められている「うめきた」開発だ。
茶色から緑色に大変貌
「最後の一等地」とも呼ばれ、代表の三菱地所に加えて、オリックス不動産、大阪ガス都市開発、阪急電鉄、積水ハウスといった「関西オールスターズ」が、このエリアの活性化に全力を注いでいる。
雨後のたけのこのように次々と現れる巨大なビル群が、街に活気をもたらすことは間違いない。しかしその裏側では、大手企業の利権をめぐる、激しい「陣取り合戦」が繰り広げられていることも見て取れる。大阪で再開発を手がける企業のベテラン社員は「どこが大阪駅周辺の勢力図を塗り替えるのか、これからが見ものだ」と語る。
「昔は茶色っぽい印象だったが、今は緑色のイメージになった」。オリックス不動産の大阪営業部・佐々木一洋部長は、うめきた開発によって大きく変わった街の印象をこう表現する。かつて梅田貨物駅があったうめきた地区は、高い塀に囲まれ、地下道は湿っぽく薄暗い雰囲気が漂っていた。
だが開発が進むにつれ、風景は劇的に変化した。2013年には、1期開発として複合ビル「グランフロント大阪」が開業。そして24年9月には、2期開発として駅直結の都市型公園「うめきた公園」やイノベーション施設の「JAM BASE」がオープンした。
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