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「うめきた」で大暴れ、不動産 春の陣取り合戦。“鉄道王国”の再開発バトルに大手デベロッパーが参戦

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「グラングリーン大阪 南館」の外観
今年3月、商業施設「グラングリーン大阪 南館」が開業(写真:編集部撮影)

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大阪・関西万博が開幕する。2030年にはIR(統合型リゾート)が開業。都市再開発も盛り上がりを見せている。55年前の大阪万博をピークに産業基盤が細ってきた関西経済は、かつての勢いを取り戻せるのか。本特集では関西経済界の最前線に迫った。

「ワイガヤの街」。大阪を一言で表すならば、多くの人がそう言うだろう。友人や家族と連れ立って、「これ似合うかな」「むっちゃ美味(おい)しいなあ」と会話をしながら、買い物や食事を満喫する。日常会話にもユーモアあふれる「ボケ」と「ツッコミ」を欠かさない。

そんな大阪のにぎわいを象徴するように、各所で再開発プロジェクトが活発化している。とくに注目を集めるのが、大阪駅北側で進められている「うめきた」開発だ。

茶色から緑色に大変貌

「最後の一等地」とも呼ばれ、代表の三菱地所に加えて、オリックス不動産、大阪ガス都市開発、阪急電鉄、積水ハウスといった「関西オールスターズ」が、このエリアの活性化に全力を注いでいる。

雨後のたけのこのように次々と現れる巨大なビル群が、街に活気をもたらすことは間違いない。しかしその裏側では、大手企業の利権をめぐる、激しい「陣取り合戦」が繰り広げられていることも見て取れる。大阪で再開発を手がける企業のベテラン社員は「どこが大阪駅周辺の勢力図を塗り替えるのか、これからが見ものだ」と語る。

「昔は茶色っぽい印象だったが、今は緑色のイメージになった」。オリックス不動産の大阪営業部・佐々木一洋部長は、うめきた開発によって大きく変わった街の印象をこう表現する。かつて梅田貨物駅があったうめきた地区は、高い塀に囲まれ、地下道は湿っぽく薄暗い雰囲気が漂っていた。

だが開発が進むにつれ、風景は劇的に変化した。2013年には、1期開発として複合ビル「グランフロント大阪」が開業。そして24年9月には、2期開発として駅直結の都市型公園「うめきた公園」やイノベーション施設の「JAM BASE」がオープンした。

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