日本郵政「火中の栗」を拾わされた新社長でも続く茨の道、増田氏退任には「参院選対策」との観測も

「外部の経営者にも打診をしたが、火中の栗を拾ってくれる人はいなかった」――。
日本郵政は3月28日、社長交代を発表した。6月の株主総会を経て、元総務大臣の増田寛也社長が退任し、子会社の日本郵便常務執行役員で東海支社長の根岸一行氏が新たに社長に就任する。根岸氏は元郵政省出身。郵政民営化以降で元郵政官僚が持ち株会社のトップに就くのは初めて。
日本郵便でも千田哲也社長が退任し、常務執行役員で近畿支社長の小池信也氏が就任する。
大幅な若返り
2020年1月から続いた約5年半の「増田体制」が終わりを迎える。4月2日にはこの4人がそろって会見を開いた。
会見前半で新社長選出の経緯について問われた増田社長は、冒頭のように話し、2年前から外部経営者に後継を打診していたことを明かした。しかし、増田社長自身が「温度の高い栗」と評するように、厳しい経営環境で不祥事も相次ぐ中、「日本郵政社長」のポストを引き継いでくれる人はいなかったようだ。
その結果、次期社長を内部から選出することに。候補者を選定する指名委員会では、これまで外部からの登用が続く中で「民営化後に入社した若い社員のモチベーション向上のためにも内部登用を図ることが重要だ」との意見も出ていたという。
そこで白羽の矢が立ったのが根岸氏だった。73歳の増田社長に対し、根岸氏は54歳。大幅な若返りとなる。
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