アメリカ株は「大暴落」なんてしていない プロの投資家たちは、みんな笑っている

✎ 1〜 ✎ 195 ✎ 196 ✎ 197 ✎ 最新
拡大
縮小

話をひと回り前の戌年、2006年に戻します。当時は、まだグッチーポストやこの連載はありませんでしたが、すでに私は個人のブログやすでに連載をもらっていた「アエラ」で「アメリカ経済は、これはまずいぞ」、と警告を発していました。

「金融機関の一つや二つは吹っ飛ぶ、それこそ株式市場の大暴落が来るぞ」、と書いていたところ、リーマン・ブラザーズは本当につぶれてしまい、在籍していたモルガン・スタンレーも倒産寸前で、株価は1ドルまでたたき売られ、私自身、まじで、路頭に迷うかと思ったほどです。多くの友人が行方不明になりました。これがまさに「大暴落」。

しかし、繰り返しますが、今はシャンパーニュが夜な夜な飲まれているわけです。こんな状況で経済が悪いはずはないではありませんか。

アメリカ経済はこれからも成長する

ということで、いつも申し上げるように、アメリカは若年労働人口がどんどん増え続けているので、基本的に経済成長が続かないはずがないんです。実は2000年にはこの若年労働人口が一時的に減少に転じており、私としては2000年にああいう「レバレッジマーケット」の崩壊がなくても、アメリカのバブルははじけたんじゃないか、と今でも考えています。それに関するデータもたくさん揃ってきたので(ビッグデータの充実のおかげですごい数字が集まるようになりました)、そのうちちゃんと論文にしますけど、おそらく間違いないです。

その意味で、アメリカの経済成長は実は鉄板で、株価が下がったとしてもそれは一時的。あくまでも調整の範囲でありまして、長い目でみればこれはこれで良い調整になったのではないか、ともいえるわけですね。最近買った方には申し訳ないですが、こちらは何せ、S&Pで言うと600ドルなんてレベルから買っているわけで(「ウィンドウズ95」が出たころはこれくらいだったのです)、「下がった」、といってもさほどのレベルじゃない。プロの相場関係者なら、この環境下ですから、株価に関しては「もっと下がってくれないかな」、なんてマジで思っているはずです(ほんとにスミマセン)。

次ページアメリカ経済は「盤石」だが、日本は?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT