iPhone「販売台数減」はアップルの"想定内"だ

他社にはできない「マイナス成長戦略」とは?

アップルはこれまで、iPhoneの値上げが利用者にとって軽微なものであるとの考えを示してきた。アップル自身や通信キャリアが下取りや割賦販売などの態勢を整えたことで、値上げ分を月々の支払いとして吸収できることと、生活におけるスマートフォンの重要性が高まったことで、iPhoneの値上げが販売台数の減速につながらないとの見方だった。

販売価格の上昇から、アップル決算発表以前にiPhone Xの販売減速が伝えられ、今回の決算を危ぶむ声も聞かれていた。しかしアップルは、iPhone X発売以降、ラインナップの中でiPhone Xが最も売れたスマートフォンであることを報告した。

販売台数でサムスン電子を追い抜いた

米調査会社のIDCによると、2017年第4四半期(10~12月)のグローバルにおけるスマートフォン販売台数は、前年同期比で6.3%減となった。これまで販売台数を牽引していたサムスン電子、ファーウェイ、OPPOといったアジアメーカーが大きく販売台数を減らす中、微減にとどめたアップルが販売台数でサムスン電子を追い抜き、トップの座を勝ち取った。

しかし注目すべきはアップルとサムスン電子の平均販売価格の差だ。前述の通りアップルはiPhone X効果もあって、平均販売価格は800ドルに届こうとしている。一方サムスン電子は平均販売価格250ドル以下で、アップルの3分の1に満たない。

「Pixel 2」を販売するグーグルを除いて、他のスマートフォンメーカーが、Androidスマートフォンのフラッグシップモデルを擁するサムスン電子の平均販売価格を上回ることはない。

明らかになったのは、アップルが継続的にスマートフォン販売の勢いを落とさなかったことと、将来的にスマートフォンの販売減が予測できる中で売上高を確保するための対策を準備したことという、2つの戦略がピタリと的中した点だ。

アップルは今回の決算発表で、アップル製デバイスのアクティブな台数が13億台に到達したことを発表した。グーグルは昨年春に20億台のAndroidデバイスがアクティブであることを発表したが、アップルのアクティブな台数にはiPad、Mac、Apple Watchなどのスマートフォン以外のカテゴリーも含まれる。

アップルはアクティブデバイス数の増加は強靱なエコシステムを維持するうえで重要な指標であり、サービスビジネスを加速させる要素になると指摘した。そのサービス部門の売上高は前年同期比18%増の84億7100万ドルで、引き続き高い成長率を維持しており、アップルの売上全体の9%を占めている。

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