iPhone「販売台数減」はアップルの"想定内"だ 他社にはできない「マイナス成長戦略」とは?
アップルは米国時間2月1日、2018年度第1四半期決算(2017年10~12月)を発表した。売上高は過去最高の883億ドル(約9兆7000億円)、純利益は200億6500万ドル(約2兆2000億円)、1株あたりの利益は3.89ドル(約430円)で、いずれもアナリストの予想を上回った。
今回の決算では、全体の売上高に占めるiPhoneの割合が初めて70%に達し、引き続きiPhoneがアップルのビジネスにおいて重要な位置づけであることが印象づけられた。一方で、アップルはスマートフォンビジネスそのものを変質させようとしている。
販売台数微減でも「売上高増加」のからくり
アップルは2018年度第1四半期決算で、iPhoneの販売台数を7731万6000台と報告した。この数字はアナリストが予測した8000万台には届かず、さらに前年同期の販売台数である7829万台を上回ることもできなかった。
ただし、昨年同期は14週であったが、今回の決算に含まれる期間は13週。1週短い期間での販売台数減をわずか1%にとどめたことを考えると、実質的には前年と同程度かそれを上回る需要があったことがうかがえる。
売上高を見ると、615億7600万ドルで、前年同期比13%増を記録した。平均販売価格は796.42ドルにまで上昇している。前年同期が694.57ドルであったことから、iPhone1台あたりの販売価格が100ドル以上も上昇したことがわかる。
販売台数減とそれを補って余りある平均販売価格の上昇は、アップルのiPhone戦略が狙い通りに進行していることの表れといえる。
アップルは2017年9月にiPhone 8、iPhone 8 Plusを、11月にiPhone Xをそれぞれ発売した。iPhone 8とiPhone 8 Plusは、これまでの3つの保存容量の展開から2つに絞り、最も安いデバイスの容量を倍増させる代わりに50ドル値上げした。またiPhone Xは999ドルからと、2016年のiPhone 7 32GBモデルより350ドル値上げした。
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