人のつながりを再生する、街のデザイナー 新世代リーダー 山崎亮 コミュニティデザイナー
失われた人の流れを取り戻す
山崎亮さんは全国各地で地域の再生に携わってきた。住民とワークショップをしてまちづくりを考え、地域の魅力発見のためのプロジェクトを始めたり、特産品作りをサポートしたりして、田舎を元気にしてきた。
今年は、その集大成ともいえる大型プロジェクトに取り組んでいる。広島県から依頼された「しまのわ2014」の準備だ。瀬戸内海には多くの島がある。昔は海が島々を結ぶ道として使われていたが、海の道は消えつつある。それを復活させようという構想だ。
まずは2014年に実験的にイベントやプログラムを行い、島々を巡る旅をしてもらう。そのためには、島に人を引き付ける魅力がなければならない。
「島には面白いコミュニティがたくさんある。キャラの濃いおばちゃん、おっちゃん、店の人などに協力してもらい、東京や大阪からお客さんが来たときに、もてなしてもらう仕組みを作ろうとしている」と山崎さんは語る。
隣の岡山県と香川県で開催中の「瀬戸内国際芸術祭2013」は、アーティストが島々に作った作品を巡って旅をする。それに対して「しまのわ」は、島の人に会いにいく旅だ。地元の人と話したり、島を案内してもらったり、彼らの仕事を体験したりする。
「船にこびりついた貝を落とすような島の日常的な仕事が、僕らには新鮮だったりする。都会から来た人が楽しめる要素がたくさんあることを、地域の人に再認識してもらいたい」
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