人のつながりを再生する、街のデザイナー 新世代リーダー 山崎亮 コミュニティデザイナー
デフレネイティブの発想力を活かせ
山崎さんは40歳になったばかり。30代の人たちには、“デフレネイティヴ”の発想力を大事にしてほしいと言う。デフレゆえに出てくるアイデアがあるからだ。
「たとえばシェアハウスは、デフレネイティヴの人たちの優れた発想だと思う。リビングにみんなで買った大画面のテレビやソファを置き、個室には机とベッドだけ。こういう暮らし方が楽しい、つながっていると思う発想力はすごい」
バブルが続いていたら出てこなかった考え方だ。自身も仮に高級車をプレゼントされたら、売ってエコカーを買うタイプ。
「エネルギー問題、環境問題、コミュニティなど、デフレのときに培ったわれわれのアイデアこそが日本を救う気がする。景気が上向いて、カネが儲かれば、つながりなんかなくてもひとりで生きていける、と思う人がまた出てくるのではと心配している」
小さな成金にならずに、デフレを忘れないでと言う。
2014年4月には、山形市にある東北芸術工科大学に、日本で初めてのコミュニティデザイン学科が開設される。学生は東北の復興を手伝いながら、現場で合意形成や主体形成の方法を学ぶ。そして将来は自分の故郷に帰って、地域を元気にする仕事をしてもらうのが狙いだ。山崎さんは学科長に就任予定。若い世代に自分の培った発想力やノウハウを伝えるため、来春に向けて準備を進めている。
(撮影:今井康一)
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