日本人の「心」を伝えるインド人クリエーター

新世代リーダー クリエイティブディレクター マンジョット・ベディ

マンジョット・ベディ
クリエイティブディレクター
マンジョット・ベディ
ティー・ワイ・オー 1st Avenue代表 1969年インド・ニューデリー出まれ。外交官の父の仕事で、2歳より世界各地を巡り、17歳で来日。1997年、広告会社の株式会社ティー・ワイ・オーに入社。クリエイティブ・ディレクターとして数々のCMを制作。2006年より同社クリエイティブチーム1st Avenueの代表として、トヨタ自動車をはじめとした日本企業の新興国戦略に携わり、コミュニケーション戦略のコンサルティングから、クリエーティブ立案、テレビ広告等のディレクション、撮影まで一貫して手掛ける。

欧米の企業から次々と生み出される新製品に、中国をはじめとした新興国から台頭してくる格安の製品。世界の競合を相手に、待ったなしで海外戦略をつきつけられる日本企業。その中で、日本のものづくりを敬愛し、日本企業の新興国戦略をコミュニケーションの観点で成功に導く注目のクリエイティブ・ディレクターがいる。インド出身のマンジョット・ベディ氏(43歳)だ。

トヨタ自動車の新興国向け自動車のコミュニケーション戦略を担ったかと思えば、日本の神社の総本山である伊勢神宮の式年遷宮公式プロモーションにも携わる。彼は日本のものづくりのどこに価値を見いだし、いかにして異国の人々のニーズを読み取るのか。また世界に通用する個人力とは。

異国の地で磨かれた独自のコミュニケーションスキル

カジュアルなスーツを着こなしさっそうと現れると、陽気な笑顔で場の緊張感を一気にほぐす。そうかと思えば、日本人以上に低姿勢になり丁寧な言葉で名刺を交わす。「この手触りがすばらしくて、大好きなんですよ」という本人の名刺入れは甲府の伝統工芸「印伝」のものだ。瞬時にして国や人種の垣根を越えた空気を作り出す、その独自のコミュニケーションスキルは、世界を回って磨かれた。

次ページ17歳の時に日本でおきた”ある出来事”
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