生誕100年のバーンスタインは何が凄いのか 2018年のクラシックはここがポイントだ

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フランス・ロマン派の作曲家グノー(1818~1893)の名を一躍有名にした作品は「アヴェ・マリア」。J.S.バッハ(1685~1750)の「平均律クラヴィーア曲集」第1巻第1曲プレリュードに美しいメロディを重ねたこの曲は、“バッハ作品への落書き”などと陰口をたたかれながらも、クラシック史上屈指の人気曲として愛されている。最近ではオペラ作曲家としての評価も高く、美しいメロディが印象的な「ロメオとジュリエット」は特にお薦め。

フランス印象主義を代表する作曲家ドビュッシー(1862~1918)の作品は、ルノワール、セザンヌ&ドガなど印象派絵画の巨匠たちや、彼らに大きな影響を与えた葛飾北斎などの作品に重ね合わせて体験するのが楽しそうだ。有名な「月の光」を含む「ベルガマスク組曲」や「映像」、「前奏曲」&交響詩「海」などなど、伝統的な音楽形式にとらわれない独自のスタイルによって生み出された名曲の数々は、後世の作曲家たちにも大きな影響を与えている。

今年いちばんの注目はバーンスタイン生誕100年

そして最後の1人、20世紀アメリカを代表する音楽家レナード・バーンスタイン(1918~1990)は、個人的に今年いちばんの注目株。作曲家としてはもちろん、超人気指揮者&教育者としても活躍したバーンスタインの姿は、ある年齢以上のクラシックファンの心に強く刻まれているのではないだろうか。

1943年、急病で倒れた大指揮者ブルーノ・ワルターの代役としてリハーサルなしで指揮したニューヨーク・フィルハーモニックの演奏会が全米に放送されて大反響を呼び、一躍時の人となったバーンスタイン。作曲家としても1957年のミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」の大ヒットによって永遠不滅の存在に。さらには日本との関係も深く、生涯最後の年となった1990年には札幌の地に国際教育音楽祭「PMF」を提唱。今も若き音楽家たちを世に送り出す原動力となっている。

そのPMF音楽祭(7月7日〜8月1日開催)の今年のプログラムはまさに生誕100年を迎えるバーンスタイン尽くしが期待される。20世紀を駆け抜けたスーパースターの全貌に触れるチャンス到来だ。代表作「ウエスト・サイド・ストーリー」については、3月4日(日)、6日(火)、Bunkamuraオーチャードホールで開催されるパーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団による演奏会形式でのステージに注目したい。バーンスタインの弟子を自任するヤルヴィのステージは、まさにメモリアルイヤーにふさわしい注目公演と言えそうだ

“クラシックに興味はあるのだけれど何を聴いたら良いのかわからない”という方は、この4人の作品を入り口にクラシックに親しむのが2018年のクラシックシーンを楽しむポイントだ。

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