日本最大規模を誇るクラシックの人気音楽祭と言えば、ゴールデンウィークの東京都心を彩る「ラ・フォル・ジュルネ」だ。1995年にフランス西部の港町ナントで「クラシックの民主化」を掲げて誕生したこの音楽祭の特徴は、複数会場で朝から晩までコンサートが行われる点にある。
しかも、それぞれのコンサートは休憩なしの45分程度。チケット代はリーズナブルで、無料公演やマスタークラスなども多数行われるという画期的なものだ。毎年魅力的なテーマを掲げ、ステージには選りすぐりの一流アーティストが登場するのだから盛り上がらないわけはない。
日本では2005年の初開催からクラシック界を席巻し、今ではゴールデウィークの東京を彩る風物詩としてすっかり定着している。その「ラ・フォル・ジュルネ」が、14回目の開催となる2018年に向けて大きく変化しようとしている。11月30日(木)に東京芸術劇場で行われた2018年のテーマ発表を兼ねた記者懇談会においてその概要が明らかになった。
「ラ・フォル・ジュルネTOKYO」へ
まずは主催名義の変更に注目したい。これまでは、音楽祭の会場である「東京国際フォーラム」の運営組織「株式会社東京国際フォーラム」のみのクレジットであったところから、「ラ・フォル・ジュルネTOKYO運営委員会」への変更だ。
運営委員会の内訳は、株式会社KAJIMOTO、株式会社東京国際フォーラム、豊島区、三菱地所株式会社の4団体。これまで音楽祭の制作を担っていたKAJIMOTOが主催に名を連ねたことと、豊島区の参加が目新しいといえる。その豊島区の参加によって、従来の東京国際フォーラムを中心とした丸の内エリアに加えて、池袋エリアが新たな開催地として加わることになった。
池袋駅西口にある東京芸術劇場内の4会場を中心に、池袋西口公園や南池袋公園など屋外での展開も予定するという。その結果として音楽祭の有料公演数は、昨年の122公演を大きく上回る194公演(丸の内122公演、池袋72公演)となり、無料公演を合わせると3日間で約400公演が行われる大規模な音楽祭へと変貌する。
それに伴い、音楽祭のタイトルも13年間使用してきた「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」から「ラ・フォル・ジュルネTOKYO」へと変更され、2018年5月3日(木・祝)〜5日(土・祝)にわたって開催される。
一方、この数年来続いていた地方都市での「ラ・フォル・ジュルネ」開催においても大きな変化が起こりそうな気配だ。
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