「犬」にまつわる英語はこんなにも辛らつだ 「落ちぶれる」「だめになる」…?

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ことわざに、

Every dog has its day. どんなイヌでもいい時がある

という表現がありますが、これなんて「たとえイヌでさえもみんな」というように、ちょっと下に見て使われていて、ことわざ自体は「(イヌでさえそうなのだから)誰にでもいい時が来るものだ」という意味なのです。ちょっとイヌがかわいそうですよね。

他にはwork like a dog (がむしゃらに働く)やdie like a dog (みじめな死に方をする)なんていうのもあり、あまりにもふびんです。

My father worked like a dog for years and died like a dog. 父は長年あくせく働いて、みじめな死に方をしました

like a dog (イヌみたいに)と言うと、とにかくネガティブな意味になることがほとんどです。それから go to the dogs という表現もあり、これには「落ちぶれる」や「だめになる」という意味があります。

I used to love this restaurant but it has gone to the dogs. 以前はこのレストランが大好きでしたが、いまではもうぜんぜんイケてないところになりましたよ

イヌ好きの筆者には、なんだか納得のいかない事実ではあるのですが、こんなイメージでイヌが使われるなんてちょっとびっくりではありませんか。でも、ここに挙げた表現は会話では便利なものばかりですので、ぜひ覚えて使ってみてください。

迎え酒はどうして犬の毛?

dogを使った表現はまだまだあります。意外なものでは、英語で迎え酒のことを、

the hair of the dog迎え酒

と言います。あるとき、この表現を調べてきた研修生に、どうして「イヌの毛」が「迎え酒」という意味になるのか聞かれたことがあります。この表現はもともとは、

the hair of the dog that bit you迎え酒自分をかんだイヌの毛〕)

という長いフレーズでした。直訳すると「あなたをかんだイヌの毛」という意味ですが、「イヌにかまれたら、その傷口にはそのかんだイヌの毛をつけるといい」という古い言い伝えが由来のようです。実際に、狂犬病の予防にイヌの毛をかまれた傷口に当てたという説もあるようです。ただの都市伝説か実際の民間療法かは不明ですが、そこから「二日酔いには酒がいい」に転じて、迎え酒を指すようになったとのことです。

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