女性の育児や仕事など、女性の問題ばかりが取り上げられるこのご時世。
しかし、男だって「男ならでは」の問題を抱えて生きづらさを感じています。男が悩むのは“女々しい”!? そんなことはありません。男性学研究の精鋭、田中俊之先生がお答えします。
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■今回の相談
生きにくいわけではないのですが、ちょっと疑問に思ったので相談させてください。最近、男性向け化粧品のCMを見ていて気づいたことがあるのですが、目上の男性が目下の男性に慕われる構図のものが増えたように感じます。
昔は女の子にモテる!というものが多かったので時代が変わったのだなと思いますが、なぜCMとは違い、実際には男性同士で褒め合うことをしないのでしょうか。職場では「お前の髪きれいだな! どこのシャンプー使ってるの?」だとか「お前って仕事できるな! あこがれちゃうぜ」という会話に遭遇したことがありません。女性同士はわりとお互いを称え合っている印象です。これって男性学ですか?
なぜ、現実では男性同士で褒め合わないのか?
渋谷区で同性パートナーシップ証明書が発行されるようになったのは2015年の11月ですので、すでに2年以上が経過しました。今日では、渋谷区に加えて、世田谷区、三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、那覇市、札幌市が同様の制度を導入しています。このような流れもあり、LGBTがレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、そして、トランスジェンダーの頭文字を取った用語という程度の知識は共有されつつあります。
しかし、異性愛が「普通」で、それ以外を一括りにして「異常」と見なすような偏った見方と具体的な差別行動が根強く残っているのが現状です(企業でダイバーシティ推進などの分野にかかわっていたり、個人的にこうした問題に関心を持っていたりする方には、森山至貴さんの『LGBTを読みとく クィア・スタディーズ入門』がオススメです。初心者にもとてもわかりやすく、しかも、体系的にまとめられています)。
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