朔太郎(仮名)
地方における「結婚するのが当たり前」主義への挫折
まずは落ち着いてください。
いわゆる団塊ジュニアを含むいまの40歳代は、その数が膨大ですので、競争の激しい世代だと言えます。例えば、受験一つ取っても、都内の有名な大学に合格するのは、簡単なことではありませんでした。
その上、40歳代前半の人々が大学を卒業する1990年代後半は、ちょうど不景気が重なり、就職氷河期が訪れました。ただでさえ数が多いのに、経済的な理由で入り口が狭まったので、少なくない若者が就職で挫折しました。1990年代における若者の就職難は、現代でも中年の非正規雇用という深刻な社会問題として尾を引いています。
朔太郎さんの場合、大学受験においては難関を突破し、大学院にも進学されています。確かに、数年前には「逃げるように田舎に戻った」のかもしれません。しかし、地元での仕事が充実しているご様子です。
朔太郎さんの現在の状況をもって「十分に恵まれているのに」と言うつもりはありませんが、悲観するほどの悪い状況ではないはずです。それにもかかわらず、「いつかいい人と結婚してくれたら」とご自身の結婚を諦めていない家族の姿勢に、なぜ挫折感を抱いてしまうのか。これを先に考えてみます。
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