日の丸食品メーカー、米国攻略の勝算

“先駆者"キッコーマンに学べ!

ウォルマートのしょうゆコーナー

「しょうゆは国際展開の可能性がある商品」。茂木友三郎名誉会長の言葉通り、現在、北米事業は同社の収益柱に成長している。キッコーマンの2014年度の第1四半期(2013年4月~6月)でも、北米での売上高(食料品製造・販売)は107億円(為替の影響を除き前年比2.3%増)、営業利益は20億円(同12.5%増)と好調を維持している。

キッコーマンは戦後間もない1949年、米国へのしょうゆの輸出を本格化。1957年には販社を設立し、本格的な販売体制を整えた。ウィスコンシン州のウォルワースに工場を建設し、現地生産を始めたのは1973年。建設地として内陸部を選んだのは、同地が米国屈指の穀倉地帯、かつ良質な地下水に恵まれており、大豆・小麦や水などの原料調達に有利だと考え、製品の出荷においても、全米を視野に入れた出荷体制が可能になると見込んだからだ。初年度は9000キロリットルだったしょうゆの生産能力は、40周年を迎える今年度に、11万6000キロリットルと当初の約13倍に達する見込みだ。

しょうゆを肉料理に使ってもらう

キッコーマンが北米で成功した秘訣は、いわゆる“日本食ブーム”の波に乗ったからではない。むしろそれとは逆に、とことん現地化に徹したことが奏功したのである。

まず、徹底してしょうゆをアメリカの食生活に“適応”させた。1950年代のレシピブックを開くと、肉料理のレシピがずらりと並んでいる。合い言葉は「Delicious on Meat」(肉に合う)。チキンやハンバーグにかける、肉をしょうゆに漬け込んで焼く、スペアリブの味付けに使う――。寿司や天ぷらなどの料理に使って“日本らしさ”を売りにするのではなく、現地の食生活に入り込もうとしたのだ。中でもしょうゆに砂糖やスパイスを混ぜ合わせて味付けする「照り焼き」は大人気に。1961年には材料を混ぜ合わせなくても、簡単に照り焼きが作れるテリヤキソースを発売した。

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